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転生者になりました。
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う、お婿に行けません……。」

 あれ、視界が曇っているな。そうだ、湯気のせいだ、きっとそうだ、ぅぅぅ……。

「いつまで泣いてるの、男らしくないな。」
「男らしくなくて結構です。」
「……意気地なし。襲いなさいよ。」
「オレの地位を完全に消すつもりですか?」
「だってつまんないもん。せっかく男の人と一緒に住んでいるのに何もないなんて。」

 なんてことを言い出すんだこの人は。

「それに、ここにいる人はみんなそーゆーことを期待してるのよ?」

 なんてこった。

「君ならなにされてもいいよ?」
「……と、いうと?」
「こんな事とか?」

 一瞬背中から圧力が消えて、次の瞬間何か幸せな柔らかさを感じ耳に息がかかる。

「君なら、婿にもらってもいいよ。」

 これは、喜ぶべきなのか?告白されたようなされてないような。でも、彼女の声がしんみりしている。

「君があの人に似ているから……。」

 なんか重たそうな物を言ってますよ。でも、あの人って誰だろ。
 その後は双方無言のままお風呂を楽しんだ。
 そして「おやすみなさい」の挨拶まで言葉を交わさなかった。
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