暁 〜小説投稿サイト〜
駄目親父としっかり娘の珍道中
第35話 さよならを言う時は笑顔で言え!
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「今日で三日目か」

 一人、銀時はそう呟いた。彼は今時空航行船アースラ内に用意された食堂に居る。無論、食堂に来る理由と言えば食事以外にない。
 大好きな宇治銀時丼を食べる為にこうして足を運んできたのだ。
 山盛りのご飯の上に小豆を乗せ、それを勢い良く平らげる。シンプルであるが故に美味い。
 これが銀時の大好物でもあった。だが、回りからの目線は痛々しい。
 彼等からして見れば銀時の食べてる代物は味覚音痴しか食べない代物。もしくはゲテモノ料理と分類されている。
 その証拠として、銀時の回りではその宇治銀時丼を見て青ざめる者も居れば、そそくさと食堂を退出する者も居るし、かと思えば食事途中でありながら食器を返却口に片付けて逃げ去ってしまう者も現れるなどかなり悪影響を及ぼしているのが分かる。
 だが、そんな事銀時には知った事じゃない。自分の食べたい物を食べて何が悪い。気持ち悪くなるなら見なければ良い。
 そんな気持ちで食事を進めていた。

「あ、こんな所に居たよ」

 呆れたような声を新八が発した。新八だけじゃない。神楽も居るし、真選組の奴等も揃っている。江戸からやってきた面子が揃って食堂の、銀時の居るテーブルに腰を落ち着かせる形となった。

「何だてめぇら。俺の昼飯の邪魔しようってのか?」
「違いますよ。これからの事について僕達で話し合おうとしてたんです」
「これからの事?」

 疑問を投げつけながらも、銀時は食事に集中している。一応聞き耳を立てているなと確認を取り、新八は一呼吸置いて話を始めた。

「時の庭園が破壊されましたし、首謀者であったプレシア・テスタロッサも死亡扱い、その娘で共犯の疑惑が掛かってたフェイトちゃんとアルフさんは、リンディさんが保護するって形で今回の事件は終わったじゃないですか」

 そう、今回の事件は一概に【ジュエルシード事件】又は【PT(プレシア・テスタロッサ)事件】と呼称されている。
 21個もある古代のロストロギアであるジュエルシードを巡って起こった大事件。その事件も無事に解決し、現在はその事後処理に追われる毎日を送っている。
 最も、それは事務仕事関連の連中の言う事であり、現場関連の者達は束の間の休息を楽しんでいる真っ最中なのであった。
 無論、それは銀時達も同じと言える。

「あぁ、確かに解決したな。だから何?」
「そろそろ、僕達も元の世界に、江戸に帰るべきなんじゃないかなぁ……って思ってるんです」
「そりゃそうだろうよ。だけどなぁ、俺等の通信機はお釈迦になっちまってんだぞ。どうやって江戸に居る源外のジジイに連絡取るってんだよ」

 此処に来る際に銀時達は世界間を通じて通信できる通信機を渡されていた。しかし、その通信機はアルフの手により完全に破壊されてしまっている。

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