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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第十五話 ロマーニャの街A
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ん。勝手にいなくなっちゃうから……」
「勝手にじゃないもん!! マリアが、えっと、悪い人に追いかけられてたから、助けてあげたの!!」

 そこでようやく、宮藤は遠慮がちにパフェを突く見知らぬ女の子に目を向けた。

「えっと、わたし宮藤芳佳っていいます。扶桑の出身で、501統合戦闘航空団っていうところのウィッチです。もしかして、ルッキーニちゃんのお友達?」

 地元ならばそういう事があってもおかしくはないだろうと思った宮藤だが、予想に反して少女の返答は歯切れが悪かった。

「あ、はい……えっと、その、わたしはマリアと言います……ルッキーニさんとは、ええっと、はい。お友達、だと思います」

 まるで人目を憚るような、何かに怯えたような仕草が気になったが、今はどうしようもない。とりあえずその場はシャーリーたちを待つことにして、どうにかルッキーニの身柄は確保されたのだった。






 ――十数分後

「まったく、お前はこんなところに居たのかルッキーニ」
「だ、だってぇ……マリアが追いかけられてたからぁ……うじゅ」

 勝手に居なくなったことをシャーリーにコッテリと絞られたルッキーニは、頭に立派なタンコブを乗っけて上目づかいにシャーリーを見上げていた。隣にいるマリアという少女も、なんだか申し訳なさそうにモジモジシテいる。

「あ、あの! わたくし、マリアと申します。ご迷惑をおかけしたようで御免なさい……」

 見るからに両家の子女、といった風体の女の子だった。言葉遣いといい、物腰といい、格好といい、その辺の街の子ではないのは明らかだった。

「あのね、あのね、マリアがローマの街を見てみたいっていうから、あたしが案内してたんだよ。だけど、芳かに見つかっちゃって……」

(あれ、この子はロマーニャの子じゃないんだ?)

 和音はふと疑問に思う。ロマーニャに住む人間がロマーニャの街を見て回りたいとは妙な話である。となれば、別の街から来た観光客と言う事か。なるほど、それならばこの身なりにも納得がいくというものだ。

「まあまあ、どのみちわたし達も街をまわって買い物をする予定だったんですし、せっかくですから一緒に行けばいいのではありませんか? それに、このまま一人で放り出すわけにもいかないですし、これもウィッチの務めです」

 その場を収めるべく出された和音の提案に、しばし考え込んでいたシャーリーも頷いた。

「それもそうだな。ルッキーニ、お前は宮藤達と一緒に買い物をしててくれ。わたしはトラックの方にいるよ」

 今度こそ勝手にどこかへ行ったりするなよ? とシャーリーは念を押す。まあ、勝手にほっつき歩かせるよりは、年長者二人組がいる方が安全だと判断したのだろう。買い物のついでに街を見物できるの
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