暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第三十幕 「織斑一夏の有意義な休息」
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前回のあらすじ:病弱少年、選択する

すっかり言い忘れていたが、結局クラス対抗戦は所属不明のIS襲撃の所為で中止になった。
表向きにはアリーナのシールドが故障したため全面見直しのために中止という事になっている。代価案として学年別トーナメントという話が進められているそうだが、内容は生徒たちの与り知らぬところである。

そしてそんな中、織斑一夏は人知れずストレスを溜めていた。ベルーナと未だに打ち解けられていない事。ISの腕も勉強も周囲に追いつけていない事。幼馴染の箒に、自分の知らない間に精神的な差をつけられた(と一夏は思っている)こと。
対抗戦そのものが中止になったことでクラスの期待そのものが無駄になったこと。事件で敵ISをぶった切っておきながら、その後に気を抜いて結局助けられた未熟さ。ついでに周囲が女性だらけであったことも、知らず知らずのうちにストレスとなっていた。そのストレスは本人にも然程自覚のないまま、まるで膨張を続ける風船のように一夏の精神を圧迫し始めていたのだ。

そんな折に手元に届いた『IS学園外外出許可証』。だいぶ前に発行を頼んでいた代物だった。これさえあれば一夏はしばしの間、学園の外でガス抜きが出来るということだ。そしてようやく待ちに待った許可が下りたことで束の間の自由を得た一夏は―――


「うははははぁ!!俺と白騎士を止めるなんてなぁ!!出来るわきゃねぇだろぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「なぁめぇるぅなぁぁぁぁ!!俺のメイルシュトロームのやりこみがあればリア充と最強キャラの一つや二つ!!」
「この白騎士凄いよぉ!流石全ISのお姉さぁん!!」
「負けるわけがない・・・!俺は今、絶っ好ぉぉぉぉ調ぉぉぉぉであぁぁぁぁる!!」


―――ちょっと引くくらい盛大にはっちゃけていた。

現在一夏は親友である五反田弾(ごたんだだん)の家にお邪魔していた。やっているのは・・・世界的大ヒットを記録したハイスピードアクションTVゲーム『 I S / V S (インフィニットストラトスヴァーストスカイ)』。オンライン対戦では同時に8機まで参加可能なこのゲームは第2回IS世界大会の参加機体が準用されており、特に発売元である日本製はかなり綿密な調整と度重なるバージョンアップによってすべての機体で勝ちが狙えるように調整され尽くした傑作である。
・・・より具体的に言うと、隠しにして最強機体である白騎士さえも油断をすれば即死ルートへ持って行けるという逆の方向にぶっ飛んだ調整が施された。対戦相手である弾の駆るメイルシュトロームは今まで最弱キャラと言われていたが、度重なる調整によって順調に即死ルートが増え、現在では大規模大会でも上位に食い込むことさえ起きるようになった位だ。

誰かが言った。このゲームに弱キャラはいない。いるのは強キャラと
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