暁 〜小説投稿サイト〜
DQ1長編小説―ハルカ・クロニクル
Chapter-4 第14話
[1/5]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
Dragon Quest 1 ハルカ・クロニクル

Chapter-4
太陽と雨
第14話

勇者ハルカにとって、およそ2ヶ月ぶりのガライの町であった。
しかし、ハルカは以前訪れたときからかなりの日数が経った様に思えた。
嵐が過ぎて秋の気候になった。オパールの月に入って、心地よい気候が続くようになった。
街中の様子は以前とは変わりない。しかし、人々がハルカに注目するようになった点が異なっていた。
ただの旅人の一人に過ぎなかったハルカが、ローラ姫を救った勇者として迎え入れられたのだ。
中には「俺は最初からアンタのこと勇者だと思っていたぜ」と言う男もいた。
(……こういう人って、本当は嘘なんだよね)
ハルカはそう思いながら愛想笑いで男の言葉に応じた。

ガライの街には大きな石造りの建物がある。そこにガライの墓と言う名のダンジョンがあるのだ。
大きな扉は鍵がかかっていた。……しかしハルカはそれをあっさり破壊してしまった。
しかも鋼の剣で、ではなくて、自分の拳で。
建物の中は広く、ホールになっていて、中にはいくつか人の姿があった。ふてくされている商人風の男は中の人は壊したり、今はアレフガルド外に追放されたという怪しい人から鍵を貰ったり、アバカムという呪文を唱えたりとさまざまだと言っていた。
しばらくすると、いつの間にか鍵が復活しているのだ、とも教えてくれた。
「ああ、あんたも鍵を壊したのか。あの鍵はもろいから、オレは斧で一発で壊したよ。ただ、ガライの墓に近づけなかったな。結界が張っているだけじゃねえ。誰かいるんだよ。門番が」
兵士風の男は入ってきたハルカに話しかけてきた。彼は外の大陸のルプガナという街から来たと言う。ガライの街のお宝目当てに来たらしい。
「僕は拳で壊しましたよ。呆気なかったですね。で、門番って、人なんですか?」
「何とお前は拳で壊したのか!すごいな、勇者だな。よし、お前なら攻略できそうだから教える。門番は人の姿をしている。遠くて詳しくはよく分からなかったが、ひげのような物が見えたからたぶん老人だろう。だがなめてはいけない。なんかバチバチと火花を手から出していたからな。ベギラマでもなさそうな感じだ。しかし、結界はどう破るかだな。なんか魔法みたいな感じだろうか?」
「ありがとうございます。……ええ、僕、頼まれごとでガライの墓に行くことになったんですよ。参考になりました」
男は驚いた表情でハルカをまじまじと見ていた。
「そうかお前、ただもんじゃねえな。とりあえず死ぬなよ」
「……分かってますって」

薄暗いホールの中を進んでいく。その途中で、老婆は虚ろな目をして言った。
「……死にに行くのかい?」
「違います。墓参りです」
「まあ、せいぜい殺されないようにな……」
ハルカは気にもとめずに進ん
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ