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アイーダ
第二幕その二
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はもう嘘はつきません」
 アイーダに対して宣言してきた。
「私もまたあの方を愛ているのです」
「えっ・・・・・・」
「今言いましたね。私もまたあの方を愛していると」
「そんな・・・・・・それでは」
「私と貴女は敵同士」
 アイーダを睨み据えて言う。
「あの方を巡っての。ファラオの娘が貴女の敵なのです」
「あの方が生きている」
 アイーダはまずはそのことに希望を見た。しかし。
「けれど貴女は」
「さあ、どうするのですか?」
 ずい、と一歩大きく前に出てアイーダに問い詰める。
「私と。闘うのですか?」
「ファラオの娘ですか」
「そうです」
 毅然として言った。
「そうでなくても私はアムネリス」
 ファラオの娘である前に自分自身であると。はっきりと述べてきた。
「この私と闘うつもりですか?」
「私は・・・・・・」
「私は逃げることはしません」
 凄まじいばかりの威圧感と気迫を見せてきた。アムネリスはファラオの娘である前にアムネリスであった。それがはっきりと出ていた。
「このアムネリスの名と誇りにかけて」
「それでも私は」
 アイーダはその気迫に気圧されそうになる。それでも言った。負けてはいなかった。
「あの方を何処までも」
「私と闘うと」
「いえ」
 また気圧される。それでも言った。
「私はあの方を何処までも」
「それは私も同じこと」
 アムネリスは圧していたがそれでもアイーダは踏み止まっていた。アムネリスはさらに押すがアイーダは持ち堪えていた。彼女はそれでも押すのであった。
「だからこそ」
「私にあるのは愛だけ」
 アイーダは言った。
「その愛の為に」
「退かぬというのですか」
「貴女はファラオの娘でなくともと仰いましたね」
「ええ」
 その言葉にこくりと頷く。アイーダを見据えたまま。全身に紅い炎が宿っていた。それはまさに怒りの女神そのものの姿であった。

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