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少女1人>リリカルマジカル
第三十五話 少年期Q
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「それにしても、夏休みまであっという間だったな」
「6月ぐらいの時は、夏休みまでまだまだ先だと思っていたのにね」
「そうだよねー」

 ちりんちりん、とちきゅうやで買った風鈴の音が家に鳴り響く。開け放たれた窓から入るそよそよした風を受けながら、現在友人たちと一緒に夏休みの宿題に取り組んでいる。今までの復習が主なので難しくないが、その分数が多いからやっかいだ。

 俺の言葉に同意を示した少年Bとアリシアは、切りのいいところまで終わったのか母さんが用意してくれたお茶を飲んで休憩している。俺も残り1問が終わったら休憩に入るかな、と鉛筆を持つ手に力をこめた。

「えっと、メリニス。この写真の生き物の名前って、ベルカウサギモドキでいいんだよね」
「おしいわね、アレックス。ベルカウサギモドキには翼はないの。あれは耳で空を飛ぶから」
「……あっ、そうか! つまりこれはベルカトビウサギだな」

 先生役であるメェーちゃん教導のもと、アレックスとランディが奮闘している。魔法の知識に関しては家族や管理局のお姉さんに鍛えられたから、俺とアリシアに一日の長がある。でも、一般教養についてはメェーちゃんが一番詳しい。さすがは『歩く本棚少女』(命名俺)。あと数年後には『歩く図書館少女』に進化すると俺は思っている。

 しかし俺もその問題解いたけど、不思議生物多すぎだろ異世界さんよ。ちなみにベルカトビウサギはまだ一般的な生き物として認知されている。ミッドチルダの南部の森にパタパタ飛んでいるらしいし、授業の時間に本物を触らせてもらったこともある。もちろん普通のウサギはちゃんといるけど。

 異世界生物は物語の中だけにいそうな生き物から、これ生物なの!? と言いたくなるようなものまで多種多様なのだ。なんせ有名どころのドラゴンやユニコーンなどの存在が確認されている世界だ。これはゲームとかの生き物がいてもおかしくないよな。というかいてほしい。

 モンスターボールとか投げてみたい。ギザールの野菜とか投げてみたい。ジャスタウェイとか投げてみたい。俺の妄想は溢れんばかりだ。おかげで異世界生物に関しては、辞典や図鑑でよく読んだからそれなりに頭の中に入っていたりする。

「ベルカウサギモドキって確か、保護対象にされていて密猟者に狙われないように管理局の自然保護隊の人が守っている動物だったよな。モドキとついている通り、実はウサギではないらしく、まだまだ研究中の生き物である……って学校では習った気がする」
「正解よ。あと主な生息場所は第61管理世界『スプールス』。その小型な体型と飛行能力を生かして、崖の隙間に巣を作ることで有名ね」
「そこまではさすがに覚えていなかった。メェーちゃんってすごいな」

 恐るべき文学少女。時々暴走してしまう時があるけど、本当
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