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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第九話 アドルフィーネ・ガランド
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 ――アドルフィーネ・ガランド

 カールスラントはもとより、扶桑においてもその名を轟かせる大エース。
世界各国のエースらと比較しても決して遜色ない戦果を持つだけでなく、現場の意見や状況を的確に判断できる優秀な指揮官として数々の激戦を戦い抜いた。ジェットストライカーに対して並々ならぬ関心を抱き、一線を退いた後も自身の創設した部隊で積極的に試験を行ったという、後世における影響も大きかった偉大なウィッチ。
 まさに雲の上のような存在が、今和音の目の前に立っていた。

「久しぶりだね、ミーナ。それに坂本も。魔眼の扱いが随分巧くなったみたいじゃないか」
「お久しぶりです、ガランド少将」
「その節は大変お世話になりました」

 それだけではない。
 かの有名な501部隊の隊長格2名を前にして、緊張するどころかまるで自室のようにリラックスしているではないか。まるで友人と雑談でもしているかのような気負いの無さに、和音は驚きを通り越して眩暈さえ覚えたほどだ。

「紹介が遅れたわね。こちらはアドルフィーネ・ガランド少将。私と同じカールスラント空軍のウィッチで、501の再結成にも力を貸してくれたの」
「お、沖田和音であります! 扶桑皇国出身で、階級は少尉です!」
「あっはっは! 元気があっていいじゃないか。噂通り、面白そうな素材のようだ」

 快活に笑うガランド。とても軍の上級将校とは思えない。
 この気さくさと、経験に裏打ちされた指揮能力こそが、彼女を人望ある将校へと押し上げている。

「……ふぅん、話に聞いたときは宇宙人か何かを想像したんだが、案外かわいい子じゃないか」
「へっ!?」

 興味深そうにしげしげと和音の顔を覗き込んでいたガランドはそう言うと、パンパンと手を叩いてミーナを呼んだ。さすがに少将というだけあってその態度も堂に入ったものだ。

「あー、沖田。今日ガランド少将に来てもらったのは他でもない。お前と、お前のユニットの処遇についてだ」
「なにか、決まったんですか?」

 咳払いをした坂本が言う。上層部に話が言っているという事なら、なにがしかの処遇が決定され、それを伝えに来たのだろう。和音はそう思った。

「それについてはガランド少将から直接お話してもらう。……少将、よろしいですか?」
「ああ、かまわないよ坂本」

 普段はミーナが座るソファにどっかりを腰を沈めてガランドは言った。おもむろにジャケットのポケットを探って煙草を取り出すと、ちらりとミーナに視線をやってからマッチの火を近づける。大きく一服して紫煙を吐き出したところで、ガランドはようやく和音に向き直った。

「――さて、沖田和音少尉、だったかな?」
「はい」
「君の事は一応ミーナと坂本から聞いているよ。未来から来たウィッチ、だ
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