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老人の一時
経験
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その波に飲み込まれてしまう。 
 だが、その流れに対抗できる。 しなければいけないのが狩人たるハンターの役目なのだ。
 繰り出される爪が小女の首を狙う。 その爪を切り払いつつ大きく横に移動し、その穴を埋めるように弾丸が正確無比な精度で撃ち込まれて行く。 
 しかし限界と言うのは必ず訪れる。 装填していた弾丸が切れてしまうと、ガンナーに抵抗手段は多くは残されていない。 空薬莢を排出し、ポーチの中に手を突っ込む。 この一瞬で流れが変わってしまった。 援護が受けれない少女は量で攻めて来るジャギィ達に押し込まれて行き、勿論老人の方にも大多数のジャギィが押し寄せる。 ポーチからモノを抜き出すが、装填している暇などない。 代わりに取り出したのは拳大の球状の道具だった。
 人間は自然界で弱い部類の生物だ。
 ならなぜ彼らと戦えるだけの実力があるのか?
 それは考える知恵と実行できる技術があるからに他ならない。
 球状の道具についているピンを引き抜き、緩く放り投げる。 瞬間一帯を目を開ける事すら困難な閃光が走った。 老人と少女は腕で顔を庇い閃光を防いだが、ジャギィ達はそうはいかない。 強烈な閃光に眼球が焼かれ、一時的にその目から光を奪う。

「畳み掛ける! 一気に決めるぞ!」

 大声で指示を出すと、それに応えるように小女の気が大きく上昇し、刃に纏わせて切れ味が高まって行く。 老人は片膝をついて体勢を低くすると、ポーチから弾丸を取り出して装填する。 
 それは通常弾LV1を数十個も弾帯で繋いだものだった。 弾帯とは、弾丸を横一列に繋ぎ合わせて一方行に送り込めるようにしたものである。 これにより、装填数以上の連続射撃を可能にし、ヘビィボウガンの長所である圧倒的な攻撃力をさらに昇華させることに成功したのである。
 短所と言えば、圧倒的な連続射撃の反動に耐える為、行動がほぼ不可能になる所。 後は、ボウガンの耐久性、排熱効率等の問題で該当した一部の弾しか連射できない所か。 
 しかし、使い所を間違わなければ高火力を叩き出せる。 今のように、視力を奪われ、思う様に動けない相手などには。

「運が無いな。 私がいなければ君等の勝ちだったろうに」

 そこからは一方的な蹂躙のようだった。 視力を失い、混乱している時に圧倒的な連射。 その間を縫うように刃が駆け抜けていく。 一体、また一体と地に沈み、徐々に押し返して行く。 いち早く視力を取り戻したドスジャギィが声を上げるが、ジャギィ達は指示を実行する前に撃ち抜かれ、切り捨てられて行く。
 至らない部下に腹が立ったのか、手に負えないと判断したのか、ドスジャギィが前に出てきて少女と対峙した。 ジャギィの数倍を誇る巨躯は、見ために違わず比べ物にならない筋力を誇る。 アオアシラを狩猟した少女なら十分太刀打ちでき
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