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グラールの神機使い
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 素早く武器を剣へと変形させ、短い距離を踏み込みながら、むき出しの部分に斬りかかる。

 さらに背後に回ってジャンプすると、同じ部分を回転しながら斬りつけた。

 一点に大きなダメージを負ったグラス・アサッシンは、横倒しに崩れた。

 更に追い打ち……短い断末魔。相手が動かなくなったのを確認すると、シズルとエミリアは物陰から出た。

「……よぉ、無事か?」

 グラス・アサッシンの亡骸を捕喰しようとするリュウジ……が、小型の原生生物が群体となってるアサッシンは、わらわらと散り始めた。

「うわっ!? キモッ、キモッ! あ、逃げんなコラ!」

「……君は、随分珍妙な武器を使用しているな」

「クッソ……ん? これか?」

 まだ巨大な獣の頭が飛び出したそれを、2人の方に向ける。

「きゃぁっ!」

 エミリアが思わず悲鳴を上げると、彼は小さく笑った。

「こいつは人間は喰わねーよ。なぁ?」

 そう言って黒い獣を持ち上げると

『くぁーん……くぅ』

 小さくあくびをして、武器の中へ戻っていった。

「メシなくてご機嫌ナナメか……ま、そーいうわけ。こいつ、神機は生きてるのさ」

「神機……」

 再び、聞いたことのない言葉が飛び出す。シズルは、核心に触れる事にした。

「君、生まれはどこだい?」

「俺の生まれ? この辺りが日本と呼ばれてた頃は、東京って呼んでた所さ」

「トウキョウ……」

 武器だけならず、地名までも。

 先程の戦いも合わせれば、流石にイタズラという事はないだろう。

 アラガミ、神機、トウキョウ……

 シズルの予想は、核心になりつつあった。

「あー、ここは贖罪の街か? だったらアナグラには近いだろうが……参ったな、知らない区画に入っちまったのか?」

 そこまで言いかけて、リュウジは2人を見た。

「いや、あんたらがいるから違うか。ていうか、部隊はどこだよ? 神機も持たずに外出てるってどういう……あ、いや、アラガミを知らない一般人か。腕輪も無いしな。なーんだって温室育ちの一般人が……」

「……1つ尋ねたい」

「……ぁん?」

 これまでの経緯を経て、シズルは一番の謎を彼にぶつけてみる事にした。

「何だ?」

「君はひょっとして、空間に吸い込まれなかったか? 青紫色の、穴のような空間だ」

「!」

 それを聞いた途端、彼の表情が険しい物になった。

「……それが、何だってんだ?」

「やはり、か」

「シズル、それって亜空間の事なの!?」

 シズルは、意を決して言い放った。

「間違いない。君は……異世界からやってきた人間なんだな?」
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