暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第二二幕 「サプライズ・エンカウント」
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前回のあらすじ:東西南北中央不敗スーパー佐藤さん


遂にあの日が迫ってきた。何の日か?もちろんクラス対抗戦である。クラス代表総当たりで試合をするこの戦い、見事1位に輝いたクラスにはデザート半年フリーパス券が、逆に最下位になったクラスには罰ゲームがあるらしい。まさに5月の1大イベントなのである。

学園中が少し浮かれているそんな中、ユウは第2アリーナでようやく調整の終わった“風花”の試運転をしに来ていた。メンテを手伝ってくれた簪も訓練がてらと付いてきている。

「ここまで長かったな・・・」
「まさか、姿勢制御のプログラムを組み直すのに、丸3日かかるとは・・・思わなかった」
「スラスターとバーニアの出力調整にも死ぬほど苦心したし・・・これで前より動きやすくなってると良いけど」

この数日間の苦労を思い出し、どこか遠い目をするユウ。
代表決定戦の後に開発元である最上重工で再メンテを受けた風花は、エネルギー周りは確かに改善され、“投桃報李”は扱いやすくなっていた。そして、それと同時にある新機能が追加されていた。
渡しに来た開発者曰く、俊敏性を補うために新しく“フィンスラスター”というものを増設したらしいのだが、このフィンスラスターが曲者だった。
これはバーニアと兼用であり、必要なときに機体の装甲の一部がスライドし、内部から推力を噴射するというもの。その噴射によって機体を瞬時にスライド移動させたり緊急回避などに使える。装着場所が背中以外になるので少々慣れが必要だが、普通の機体に積まれれば空中での戦闘にさぞ重宝するだろう。

・・・が、そもそも風花は唯でさえ直線加速力に特化しておりPICと連動する推進翼がほとんど存在しない。簡単に言うと、フィンスラスターを吹かした後の姿勢制御が凄まじく難しいのだ。驚くことなかれ、試しに使ってみたら優秀なISオート制御でも全く対応しきれずに激しく転倒してしまった。
だがフィンスラスターを使いこなせれば確かに風花の機動力は上昇する。まともに空中戦が出来ないこの機体にとってこれは間違いなく回避の命綱となる。
だからこそユウは機体制御用のプログラムを後付で開発する必要があった。幸い開発元も同じことを考えたのか姿勢制御のプログラムを用意してくれていたのだが・・・実働データが極端に少ないためかかなり不具合が多く、結局細かい調整は自分でやることになってしまった。いくらユウが優秀だからと言って流石に全くやったことのない分野の作業をするのは無理がある。だれか、手伝ってくれる人間がいないと・・・

そこで現れた救世主こそが更識簪である。彼女は日本の代表候補生であるため頭脳は申し分なく、しかもユウにとって幸運なことに彼女はプログラム弄りに明るかった。簪は「姉と和解できたからそのお礼だ」とユウの頼みを快く承諾し、二人は
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