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ソードアート・オンライン ―亜流の剣士―
Episode2 恐怖の体現
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びくついたアカリが俺の後ろに隠れる。咄嗟に背の剣に伸ばしかけた腕を留めた。それでは言葉と行動が合致しない。こちらから「反省しているのか?」と問うた相手に刃を向けるのは違うと思う。

…ただ、ハズキの表情を見るかぎり警戒心しか湧いてこない。それほどにニヤニヤと感じの悪い笑みを浮かべている。

「誰が謝るって?お前の方こそ謝った方が良いんじゃないかぁ?」
「お前な…」

やはり、反省している感じではない。むしろ挑発的だ。こいつは何を考えているんだ?

「…昨日の今日でまたやられに来たってことで良いのか?」
「やられるもなにも。昨日だって僕のヒットポイントは1ドットも減ってないんだけどなぁ?」
「お前っ…!」

妙なほど挑発的な口調に堪え切れず一歩踏み出した。だが、俺の動作はそこで停止した。

ハズキの後ろに人影が見える。それも二つ。薄暗いためによく見えず目を凝らす。すると、それが合図であったかのように二つの影が動き、その姿を日の下に晒した。

「Wow。こいつはまた、ひどく気が立ってるみたいだな」
「ていうかヘッド。こいつらが標的?どっちもガキじゃん。女を助けた英雄って聞いたから、俺はもっとこう、…ジェントルマンな奴を想像してたんだけど!」
「違うな…」
「そっすよね!」
「Gentleman、だ」
「そっち!?」

なんだろう。コント染みたやり取りに張り詰めていた体の力が抜けてしまった。

「さすがヘッド、意味分かんねぇ。で、ブタ。ヤるのはあいつらでいいのか?」
「だ、誰がブタだ!」
「あはは!てめぇしかいねーだろ、バーカ!」

ハズキを《ブタ》と呼んだ方が指を指して笑う。言動などから非常に子供っぽいイメージだ。ただ、顔は丸々ボロ袋のような物に覆われていてよく分からない。見たところ武器も装備していない。


「まぁ、確認は大事だからな。こいつで良いんだな?」
「あ、あぁ。そうだ。金は先に払ってるんだからちゃんと働いてくれよ」
「Of Course。お前は合図するまでそこで突っ立ってりゃ良い」

《ヘッド》と呼ばれた方の奴が俺を見据えた。こちらも体を頭からズボッと覆うような服装のため、全体像がよく分からない。膝上までを覆うこういう装備を確か、ポンチョと言っただろうか?

かろうじて見える目元を見つめる。

(っ!?なんだこれ、寒気…?)

視線が交錯した瞬間、体をゾワゾワと嫌な感覚が撫で回した。俺の悪寒と反比例するようにそいつの口角が上がる。

「さあ、Choice Time!今から二つの選択肢を与える。好きな方を選んでくれ」

さっきまで耳障りが良いくらいだった流暢な英語が不安を煽る。緩んでいた体が無意識のうちに強張っていく。

「一つ、ジワジワと社会
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