暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜無刀の冒険者〜
GGO編
interlude 顔知らぬ人へ
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 俺も、それに相対して腰掛ける。
 その体制は、あたかも面接の様な有様だ。そう、何せこの人は。

 「……では……聞こうか……君は……あのGGOでの銃器戦闘……どう思う……?」

 この国でも上位に位置する大学の教授職に、三十半ばにして登りつめた天才学者なのだから。





 「なあ、チビソラ」
 「なーにっ? シドくんっ?」

 ALO……妖精の世界と呼ばれるこの美しい世界に入った俺は、ホームで愛用している揺り椅子の背もたれをゆすりながら、俺の相方へと呼びかけた。返事は、頭の上から。燈赤色の髪の毛の枕が偉く気に入ったらしい人工知能(AI)の小型妖精は、声に応えてぺちぺちと俺の頭を叩く。

 「……お前さぁ、記憶ってどうなってる?」
 「ほえっ? 記憶っ? めもりーっ?」
 「ああ」

 唐突な問いに、チビソラがアホっぽい声を上げる。ってか、人工知能って驚くってことまで出来るのか。すげえな、茅場。いや、鋳型になったソラがすごいのか?

 実に妖精らしい動作で俺の頭からふわりと飛び立ったチビソラが、俺の目の前をひらひらと飛び回る。その距離、五十センチってところか。相変わらずこのチビ介は距離が近い。そういえばGGOを始めてから、目測の距離を測るのが実にうまくなった。その五十センチ先で、チビソラが「うーん?」と記憶を探って応える。

 「うーんっ、記憶っ、ねーっ……。一応私はシドくんのアミュスフィアのメインメモリに入ってて、そこにデータで保存されてー、って感じなはずだよっ?」
 「それで全部保存できんのか? 記憶ってのは、そんなにデータ量として少ないのか? なんか他の場所に保存されたり、とか、バックアップがあったりとか、ないのか?」
 「んーっ……」

 矢継ぎ早な質問に、チビソラが困ったように首を傾げる。
 その眉は、しっかりハの字だ。

 「……あんまり詳しくは分かんないやっ。……それにしても、どうして突然そんなコト聞きたくなったのかなっ?」

 結局誤魔化され、今度はあちらからの質問を返される。
 その質問に俺は。

 「……今度の、BoB大会が関係しているのかなっ? それとも、『彼女』のコトかなっ?」
 「…すげえな。正解だよ、どっちも」

 あまりの正確さに、苦笑することしかできなかった。


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