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ストライクウィッチーズ1995〜時を越えた出会い〜
第五話 ロマーニャ基地A
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 ――ロマーニャ基地 食堂


 すっかり日も高く昇った午前。ロマーニャ基地はちょうど昼食時であった。食堂の大きなテーブルには、所狭しとおいしそうな料理が並んでいる。それをみんなで食べるのが501部隊のしきたりなのだが、本日はそこに若干1名の新入りが混じりこんでいる。

「はい、みんな注目。今日からここで生活することになる、沖田和音少尉よ」
「お、沖田和音です! 今日からお世話になります」

パン、っと手を打ったミーナが食卓の全員を制し、皆に対して和音を紹介する。
さて、大まかにここまでの経緯を説明しよう。
 司令室でミーナと坂本相手にあれこれと質問を重ね、所持品などを見せ、さらにはユニットの解説や整備班の見解などを総合的に鑑みた結果、どうやら和音は本当に未来からやって来た扶桑のウィッチである、という結論がだされた。
 となれば、当面の生活について一定の目途を立てなくてはなるまい。さてどうしようかとなった時、ミーナは満面の笑みを浮かべてこう言ったのだ。

『今すぐに結論は出せないわ。しばらくは此処に居ていいのだし、色々お話を聞かせて頂戴ね?』

 それはつまり、和音に対してここ第501統合戦闘航空団に――半ば居候ではあるが――入れ、と言っているのと同じことだった。行く当てもない和音に他の道がある筈もないことは火を見るよりも明らかである。和音の501逗留は、トントン拍子で話がついた。その後『部隊の皆に貴方を紹介しないとね』といって食堂に連れてこられて今に至るのである。

(ここが、第501統合戦闘航空団なんだ……)

 緊張でガチガチになりながら頭を下げる和音。
 自分が過去にタイムスリップしてしまった事も勿論だが、自分が今かの有名な第501統合戦闘航空団に居ると言う事が信じられない。

「あ、沖田さん。もう体は大丈夫なんですか?」

 厨房から割烹着姿の宮藤がやって来て言う。軍人の癖に割烹着が似合うというのもなかなかに奇妙な話だが、宮藤が着ると不思議としっくりくる。

「はい、もう大丈夫です。宮藤さん」

 どうぞ、と差し出された湯呑を受け取りつつ、ミーナに促されて席に座る。ちなみに、和音が未来からやって来た、という事情は既に基地の整備班を含むほぼ全員に知れ渡っている。無論、箝口令が敷かれたうえでの話で、基地の外には漏れないよう配慮してある。

「あの……沖田さんは、本当に未来から来たんですか?」

 遠慮がちにそう訊いてきたのは、今日も今日とて料理に腕を振るうリネット・ビショップであった。事情をミーナから聞いているとはいえ、大多数が半信半疑なのだ。

「あ、ごめんなさい。自己紹介がまだでしたね。私はリネット・ビショップです。よろしくお願いしますね」
「よ、よろしくお願いします」

 
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