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駄目親父としっかり娘の珍道中
第5話 地図やガイドブックを持ってても迷う時は迷う
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ましたアルよぉ!」

 そうこうしていると、先ほどまでトリガーハッピーを連想させるかの如く殴り続けていた神楽が声を張り上げる。どうやら新八が意識を取り戻したようだ。
 それを聞き、一斉に新八の元へと駆け寄る。

「おいぱっつぁん。生きてるか?」
「ぎ、銀さん……何だろう。ほっぺたが凄く痛い……何処かぶつけたんですか?」
「嫌、神楽がさっきまでお前の事ぶん殴ってた」

 隠す事もなく真っ正直に述べてきた。それを聞いた途端、新八の中に激しいまでの怒りが込み上げてきた。起こし方ってのがある筈であろう。普通に軽く叩くとか揺さぶるとか。
 なのにこいつらときたらそれを殴ると言う選択肢でやってのけたのだ。怒らない方がおかしい。

「ふざけんなよてめぇら! 起こし方ってもんを考えろや! 僕の事殺す気なのかぁ!?」

 かなり大声で吼えた新八。だが、それに対し銀時達は全く意に返してない。それどころか寧ろ新八の言い分に対し返って腹を立ててる様子だ。

「何ですかねぇこの駄眼鏡君はぁ? 起こし方に気をつけて欲しいだってさぁ。まさか眠り姫みたく目覚めのキッスで起こせって事かぁ? 夢見るのも大概にしろやボケェ」
「マジキモイアル。暫く私に近づかないで」

 あれ? 一体どうしたのだろう。自分は正論を述べた筈なのに何時しか自分が悪者みたいにされていた。ふと、自分の頬を摩ってみた。新八の頬は、何故か濡れていた。
 濡れていた部分を辿っていくと、それは新八の目に至った。どうやら、無意識の内に涙を流していたのだろう。
 精神に多大なダメージを負ってしまったようだ。されど、今の新八にそのメンタルを回復する手段は何処にもないのであった。

「ま、お前が変な趣味に目覚めたとかそんなのはどうでも良い。それよりもだ――」

 勿体付けるように銀時は間を置き、そのまま新八のまん前に近寄りじっと、その目を見た。
 その時の銀時の目は真剣そのものであった。

「新八……お前、なのはが何処行ったか知らないか?」
「な、なのはちゃん? 居ないんですか」

 今になって新八は気づいた。此処に居るのは自分の他に銀時、神楽、そしてユーノの四人しかいない。なのはの姿は何処にもなかったのだ。
 その事実を知った途端、新八は一気に自分の中から血の気が引くのを感じた。あの時なのはを背負っていたのは自分だ。そして、なのはが逸れてしまったのは自分のせいだと。そう新八は感じていたのだ。

「あ、あぁぁぁ! 僕の、僕のせいだ……あの時僕がちゃんと背負ってればこんな事にはならなかったのに――」
「落ち着けぱっつぁん。気持ちは分かるが自分を責めてどうにかなる訳ねぇだろうが」
「ぎ、銀さん……」

 意外だった。もしかしたら銀時は自分の事を散々責め立てるのだろう
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