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不思議なスライム
毒消し草は…

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「あったあった!じゃーん!これよ!」

シェリーは道具袋から、毒消し草を取り出した。
名の通り、毒を治す草だ。
お店に行けば、たった10Gで買える。
解毒魔法を使える仲間がいない時や、1人の時に重宝する草だ。
目の前にある毒消し草に、スラ子は大興奮。

「キュー!キュー!」

手を伸ばして掴もうとするが・・・。
何を思いついたのか、シェリーは悪戯っ子の様な笑みを浮かべる。

「ほーら、こっちこっち。」

毒消し草を動かすシェリー。
右に動かせば・・・。

「キュ〜。」

欲しい〜と、右に移動するスラ子。
左に動かせば・・・。

「キュ〜。」

食べたい〜と、左に移動するスラ子。
真上に持ってくると・・・。

「キュ!キュ!」

頂戴!頂戴!と、ぴょんぴょん飛び跳ねるスラ子。
・・・・・・。
うん、おもいっきり遊ばれとる。

「や〜ん!この子、可愛い過ぎ!」

スラ子の行動に萌え萌え状態のシェリー。
確かに可愛い。
しかし、甘いと言っておこう!
いつまでも遊ばれるスラ子ではない。
食べ物が絡むと、強くなるのだ!

「キュー!」

「なっ!?」

宝箱の壁に向かって跳び、壁を蹴って高く飛ぶ。
三角跳びである!
見事、毒消し草を掴み取った!

「あちゃ〜、取られちゃった。小人って凄いわね。」

「キュー♪」

残念という顔のシェリーと、満面の笑みのスラ子。
早速、もぐもぐと食べる。

「・・・・・・。」

不味くはない。
でも、そんなに美味しくもない。
期待していただけに、ガッカリするスラ子。
ところが・・・。

「キュ?キュ!?」

身体に異変が起きる。
頭の天辺から足のつま先まで、スッキリ爽やかになった。
分かり易くいえば、ミントを食べた後の様な感じだ。
初めての感覚にスラ子は・・・。

「キュフー。」

夢心地のようだ。
よかったな。

「キュフー。」

おい、スラ子?
なんか様子がおかしいぞ!?

「どうしたの!?」

シェリーも気がつき、心配そうに覗きこむ。

「キュフー。」





「ちょ、ちょっと!ガルドきてーっ!小人が!」





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