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やはり俺達の青春ラブコメは間違っている。
第四章
このクラスはとりあえず、まあ……大変そうである。
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るけど、一日の時間。つまり二十四時間の内、十〜十五パーセントを美少女と共にしたら『リア充』であるという国家の規定なので、悪しからず。
 それにしたって本を部室に忘れた比企谷クン、ザま……ドンマイ。

 比企谷が、「そう言ったところで後の祭り。英語で言えば、――それは祭りのあとじゃねぇか……」と、独り言を言うのをチラと見て、だらだらと一人過ごした。
 ボソボソと喋ってよく聞こえなかったが、どうせ後の祭りをアフター・ザ・フェスティバルとか言って、一人ボケ or ツッコミを空気に向けて披露でもしてたんだろう。……うわっ、寂し! ……と、俺も独り言を呟く。
 ああ! そうさ、ぼっちは退屈。俺の好きな「キャラ」的に言えば『まあ、その退屈』『嫌いじゃないぜ』と言ったところなんだが、ぼっちで在ると独り言が自然多くなってしまう。
 比企谷に至っては家で熱唱とかしてる。……あれはマジでやめてほしい。

 昨日、マ○ラタウンさながらに由比ヶ浜さんとサヨナラバイバイした後、旅(徘徊)に出るついでに比企谷の家まで八十円を返しに行ったとき。玄関を開けると『MOTTO! MOT――おふぅんっ……』とかなるの、やめてほしい。こっちまでトラウマを作ってしまう。
 もうノックなしでは部屋に入れない。

『――〜♪』
 んーっ、もうっ! お前ってやつはツッコミどころ多すぎっ☆ 自重の(たが)が外れてまうわっ!
 あの後、『さ、さすがに学校じゃ歌ったりしねぇよ』とか何とか言ってた癖に、今歌ってる鼻歌はなに? もしかして鼻歌は良いよってオチか? ……しかもプリキュアァアア! ユーアー高校生!

「(確かに雨音でカバーされて俺以外には聞かれてないかも知れねぇけどさ……)」
 こちとらその雨の雰囲気で過敏になっとんじゃい! 気になる。お前の鼻歌超気になる!

 そんな俺の気を引き付けて止まない、「いーれーて」の一言は言えなくて、いつもクラスのリクリエーションのフットベースをやると、クラスの中心人物二人がじゃんけんして勝ったら自分のチームに入れたいやつを選べるルールで一人、「僕はいつ選ばれるのかなー、ドキドキ」って期待したまま残されてた比企谷クンってば、今日もリア充のグループを眺めては嘯くように戯れ言を吐く。
 そうだなぁ……。比企谷が「いーれーて」と言ったとして、やつが群れに混ざれるとは考えにくい。

 俺は比企谷の視線の先のオタク予備軍に目をやって口をつぐみ、欠伸をこらえていた。
 ちなみにオタク予備軍とは、金髪でチャラチャラしたリア充とは程遠く、立場の弱めな奴等ではあるものの、群れをなし、ゲームに興じると言うものである。ってかゲームは不要物だろ。
 まあ、俺が言えたことでもなし……、くそっ! なんで俺が好むキャラは攻略対象じゃねぇんだ! ああ、
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