五話
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すか?」
「確かに前回に襲われた際私は既に天剣であったが、撃退に出たのは別のものであったのでな。詳しくは知らぬ。だが、名付きの老成体ともならば奇怪な変化を遂げていてもおかしくはあるまい」
そう、それが彼ら三人が集められた理由
名付き。一騎当千という言葉が温く感じるほどの戦力を持つ彼らが撃退に出、仕留める事が出来ず逃がしてしまった相手に此処、グレンダンで送られる称号。最強とされる老成体の中でも、更に一層強力な個体
老成六期ベヒモト。それが今回相対する相手である
相手が相手だけに、ここには三人しかおらず、一般人はシェルターに、他の武芸者は万が一に備え王宮に集まっている
もっとも、万が一が訪れるなど、信じている者はいないが
「しかし、都市外戦装備をつけるなとは一体どういうことなのだろうか。聞く前にデルボネ殿は眠ってしまったが」
「戦ってみればその理由も分かる」
「事前の情報とは大切なものなのだがな」
「千億の推測よりも、一つの行動だ。来るぞ」
声の調子を変えぬまま、リンテンスが告げ、地面の揺れが起こり、すぐさま耳をつんざくような音が続く
揺れが来る前に既に各々の天剣を展開し終わっていた彼らの前に、それが現れる巨大な姿が太陽光を遮り、視界が闇に覆われる
見上げた先に、二つの淀んだ白い塊。まるで無数の岩の塊を泥沼に浮かべたように蠢いている
「まるで巨人のようだな」
「ここまで大きいのは初めて、ですかねぇ」
そう言いながらも、彼らの表情に不安などの色は一切ない
リンテンスはいつもと変わらず無愛想なまま、カルヴァーンは僅かに顔を厳しく引き締め、サヴァリスは笑みを一層濃くしたまま立ち向かう
「では、始めましょうか」
???外力系衝剄変化 剛力徹破・咬牙
???外力系衝剄変化 閃断
同時に動き出し、二手に分かれたサヴァリスとカルヴァーンが技を放つ
その技は複雑なものなどではなく、広く知られているもの。だが、そこに込められた剄量は異常の一言
ベヒモトの両手首が、同時に破壊され、切られた両手を残し、本体は地面へと落ちる
その様子に肩透かしをくらったように感じる。こんなものが名付きなのかと
「!? 避けろ!」
落胆していたサヴァリスの所に、カルヴァーンの声が届く。何事かと後ろを見れば、そこには異常に膨張した取り残された両手
轟音と共に岩のようなに散りばめられた鱗が飛び散る。すぐ傍で、警戒が薄かった事もあり、刃のようなそれがサヴァリスの体を薄く切り刻む
「なるほど、これが此処で戦う理由ですか」
都市の足の上に立ち、体を見下ろせば、あちこちで薄く血がにじんでいる。もし都市の外で戦い、これを喰らったならば装備が耐えられず、体が外気にさらされてしま
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