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駄目親父としっかり娘の珍道中
第0話 人の名前を決めるのは案外時間が掛かる
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い話が転がってる筈はないのだ。
 こんな事を呟くような駄目人間には決まって天罰が下ると言うものである。
 その天罰こそが、この男の未来を大きく変える事になってしまうのであった。

「あ〜、だりぃ〜。ったく、春だってのに太陽さんさんじゃねぇか。これじゃまるで夏だろうが! 熱すぎるんだよ。たまには有休とれや太陽の馬鹿野郎が。大体太陽があんな頑張りやさんだから俺の財布が逆にスッカラカンに……」

 等とぶつくさ呟きながら自分が住んでいた二階の下にあるスナックの前を通り過ぎようとしていた。無論時間的にまだお昼前辺りなのでスナックは開いていない。
 それ以上にこの男としてはそのスナックには入りたくないと言う気持ちがあった。
 何故ならこのスナックのオーナーは言ってしまえばこの男の大家でもある。
 因みに、結構家賃の支払いが遅れているらしく、しかも運の悪い事に今日はその支払い日なのであった。
 だが、肝心なその時にギャンブルで擦ってしまいすっからかんの状態である。
 とても払える状態ではない。
 が、今のこの男にはそんな事どうでも良いのであり、何時もと代わらずぶつくさ世間の事や今の政治のことなどに対し文句を言いながら通り過ぎようとしていた正にその時だった。

「ん?」

 ふと……本当にふとだった。何か場違いな物が見えた気がしたその男は、本来なら見向きもしないようなスナックを見た。其処には相変わらず硬く閉ざされたスナックの扉がある。
 だが、問題はそのすぐ横にあった。建物の丁度すぐ横の辺りである。
 其処には綺麗な布で包まれた小さい何かが転がっていたのだ。

「何だ何だぁ? どっかのブルジョワが哀れな俺に対してお金を恵んでくれたとかですかぁ?」

 この期に及んでどうしてそんな都合の良い事を想像出来るのかわからないが、とにかくその包まれた中を覗いてみた。其処にあったのはその男の想像していたのとはかけ離れた物があった。
 其処にあったのは、正確に言えば其処に居たのはだ。
 小さな顔でぷっくらと膨らんだ赤めの頬に、大人の指一本をようやく掴める位の小さな手。
 此処まで言えば分かると思うが、其処に転がっていたのは、何と赤子だったのだ。

「・・・・・・え?」

 その赤子を見た途端、この男は一瞬時が止まった感覚を覚えた。何故、なんでこんな所に赤子が? しかも丁度自分の住んでいる場所の真下に居たんだ?
 疑問が尽きない今日この頃。はてさて、その赤子をどうするものかと考え出す。
 苦虫を噛み潰したような顔をして男は悩んだ。悩んだ末、男は結論を導き出した。誰にも迷惑が掛からず、尚且つ自分自身にも迷惑が掛からないナイスな方法をこの男は思いついたのだ。

「見なかった事にしよう。触らぬ神になんとかって奴だ」

 勝手
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