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エターナルトラベラー
第八十五話 【Fate編】
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彼方から少女の声が木霊する。

遠くから誰かを呼ぶ声だ。

それを何処ともいえない場所で聞いている人が居る。

ああ、また私を呼ぶのだな。とその誰かは思った。

あの白い少女に呼ばれ、自分の子供を手にかけてしまった自分でもその娘を守れるかもしれないとその呼び声に応えた。

何度も…何度も…

しかし何度分岐を辿っても自分はあの少女を守れない。

眩い光の一撃で命のストックを削りきられ、多くの宝具に串刺しにされ…

一番最悪なのは影に食われて自分自身が白い少女を追い詰める。

どの私も必ずあの少女を守りきる事叶わずに朽ち果てる。

それが運命とでも言うように…

ああ、誰か、誰でも良い。誰かあの少女を守りきってくれないか…あの冬の寂しさしか知らない白い少女を…

そして彼女の幸せを見つけてあげて欲しい…

呼ばれることの喜びよりも今の彼には守りきれないと言う絶望の方が多い。

彼女の呼び声は必ず狂化の呪言が織られている。

せめて狂戦士のクラスでなかったなら…彼女の心を労わる言葉を掛けて上げれるのに、…それすらもやはり叶わない。

少女の言葉に惹かれ、何か大きな力に引かれてまた私は彼女の前に現れるだろう。

今回こそはと言う希望と今回もきっとと言う絶望を胸に抱き、奇跡を願う。

そんな時、その男が引かれる道を何かが通った。

男は何を思ったのかその何かをその太い腕で掴み取り、強引に自分の中へと取り込んだ。

しかし、その何かは吸収するはずだった男の力を逆に吸収しに掛かった。

だが、男にはそれならそれで構わなかった。

ああ…今回はきっと大丈夫。

狂化は私が全て持って行こう。

そして私の持てる力で用意された器を作り変えよう。…いや、これほどのものなら狂戦士の器では受け止められまい。

だから、今回は…きっと彼女を守ってくれ。

それだけが今の私の願いなのだから…




急激にまどろみから意識が浮上する。

それと同時に何かの知識が頭の中に流し込まれていく。

聖杯、冬木、サーヴァント…

その一つ一つを吟味する時間も無いままに、何かに引き寄せられ、自分の体が書き換えられていく。

『汝三大の言霊を纏う七天…抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!』

その言葉に手繰り寄せられるように俺の体は引き寄せられ現実世界に現れ出でた。

魔力渦巻く魔法陣の真ん中に立つ。

辺りを見れば豪奢な石造りの聖堂のような造りの部屋のようだ。天井のステンドグラスから漏れる木漏れ日が一層そういった雰囲気に仕立て上げている。

目の前には白い、どこまでも儚そうな少女が立っている。

「問おう。あなたが俺のマスターか?」


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