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鋼殻のレギオス IFの物語
十八話
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 世界が、止まっている。
 いや、止まっているように見える。
 まるで映像機器を通している様に、写真で見ている様に。
 モノクロなのに色のついた、視界の世界が動かない。
 宙に浮いて見ているような、遠くから見ているような、俯瞰の視感が収まらない。
 それなのに、とても近くにいるような気がしてくる。髪揺らす風が、暖かな温もりが、感じ取れるような気がする。
 だからきっと?????これは夢、なのだろう。
 
 シーツに包まり寝ている私の傍に、一人の女性が座っている。
 止まった世界の中唯一人、住んでいる世界が違うかの様に、異物の様に、その手を動かしている。
 手を動かして私の頭、顔を撫でている。
 撫でられた所から生が移されたように髪が揺れる。
 とても優しく、命を渡される様に見えぬ瞳に温かさを感じる。
 ずっと昔、誰かにしてもらった懐かしさ。あの時、私の名前を呼んで横に居てくれた二人は誰だっただろうか。
 
 あの頃は世界が怖くて、でも二人の温かさを感じていると不安何て無いように思えた気がする。
 そんな頃をふと思い出す。
 顔にかかる髪を払いながら、優しく私を撫でてくれる。

 そんな青く光る女性の夢を、見た気がした。





 小さな振動が連続的に伝わり、それに続くように小さな振動が生まれる。
 前者は不規則に、床の下に広がる荒い世界を示すように。
 後者はある意味規則的で不規則で、それを生み出す存在の難解さを示すように。
 ああ、なんでこうなったんだろう。
 そう思いながら、レイフォンは後ろを振り向いた。

「えーと、何か用アイシャ?」
「いえ、レイフォン。特に用はない」

 自分のすぐ後ろに付いて来る少女、アイシャは小さく否定した。

 ベリツェンから暫く時間が経った。
 助けられた少女、アイシャの体も段々と元気になって行った。
 髪は艶を取り戻していき、浮いていたアバラはその影を小さく、声も戻り肌の荒れも無くなっていった。
 それはとても嬉しい事だったのだが、同時に一つ困ったことも発生した。
 アイシャがレイフォンの後を付いて回る様になったのだ。
 いつも、というわけではない。レイフォンから離れ他のメンバーと話していたり、ボーと一人でいることもある。
 だが、ふと思い立った様にレイフォンの後をついて回りその行動を見るのだ。
 本を読もうと思えば一緒に近くで読む。料理しようとすれば近くで見たり少し手伝ったり。
 その行動に疑問を呈すれば、どうしてそんな事を聞かれるのか分からない、といった風に逆に疑問を浮かべる顔をされる。
 その行動の理解出来なさに、色々とレイフォンは困ったりもしていた。


 椅子に座ってレイフォンは本を開いた。
 ベリツェンから盗み、
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