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【パズドラ】殴って、青龍カリンちゃん!
【パズドラ】殴って、青龍カリンちゃん! 二話 〜七夕のプレゼント〜
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「星空が綺麗ネー」
 天の川が見たいというカリンの要望に答えて、今日は都合よく出現したダンジョンの夜空を二人で眺めている。
 なんでダンジョンなのに空が見えるんだ! というツッコミも忘れてしまうほど星々の輝きが眩くて……この壮麗な星明かりを前にはどんな疑問もちっぽけに思えて……。
 いやいや、ダンジョンとは地下のことを指すのだから、全然ちっぽけな疑問ではないのだけれど。
「しかし、中国にも七夕ってあるんだな」
「我はむしろ日本にもあるのかーと思ったアル。七夕伝説は中国の昔話アルヨ」
「あ、そうなんだ。てっきり日本の昔話かと思ってた」
「だって、ほら、竹といったら中国だからー」
「……いや、分からんでもないけど、なんだそりゃ」
「もし日本の話だったら、きっと桜の木に短冊吊るすと思うネ」
「まぁ、そうかもしれんけど、やっぱりなんだそりゃ」
 そんな話をしながら歩いていると、目の前に妙なものが落ちているのを見つけた。
 キラキラした緑色の大きなブーツ。その先芯には気の抜けたような顔が描かれていて、胴筒から収まりきらないほどの大きな金色の卵が入っている。リボンがついているところを見ると、誰かのプレゼントなのかもしれない。
「わー、とても大きな卵アルねー」
「ベルとかセイヨウヒイラギが飾ってあるから、クリスマスプレゼントなのかな?」
「星模様の卵は初めて見たアル。これ、きっとすごいモンスター入ってるネ」
「誰かの落し物かな? それにしたって、クリスマスには早すぎで遅すぎな季節なんだけど……」
『天の川、見えるかなぁ?』
 まじまじと見つめていると、ブーツに描かれている顔が突然口を開いた。
「しゃ、喋ったネ!?」
「え、これ自体がモンスターなの!?」
『天の川、見えるかなぁ?』
「でも、攻撃してこないアル。この子……」
「同じセリフしか吐かないし、おもちゃかなんかじゃね?」
 ブルブル、ブルブル……。
 スマートフォンが揺れ出した。みてみると、俺のモンスター図鑑が更新されたらしい。
「図鑑が更新された。おい、こいつやっぱりモンスターらしいぞ。プレゼントBOXっていう名前らしい」
「プレゼントBOX……? まぁ、とりあえず持って帰るよろし。これ絶対に超激レアだと思うネ」
「そうだな」

 自宅に帰り、再度モンスター図鑑からプレゼントBOXの詳細を調べる。
 どうやら強化合成用のモンスターなんだけど進化するらしい。
 素材は、ええと……ドラゴンシード系列全部に、サファリットか。ちょうどボックスに全部揃っていたと思うし、進化合成させてみるか。
 俺は進化素材をプレゼントBOXに食べさせてみた(こいつのどこに胃袋があるんだろうな)
 食い終えたプレゼントBOXが神々しい光に包まれて――。
 金色の卵が現れた。
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