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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百五十三話 ヴァンフリート星域会戦 その2
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イス、キルヒアイス、俺を賞めてくれ、この数ヶ月で俺はよく我慢している!一生の忍耐力を此処で使い果たしてしまいそうだ!”とか“俺ならこんな戦闘は直ぐにでも帝国軍の大勝利に出来る”や“エッシェンバッハは用兵を知らぬ阿呆だ”などの言動を度々吐き捨てていた。

その度に、キルヒアイスはラインハルトを宥めていたが、長々とした愚痴を聞き終わり、渋い顔をしていると“そんなに苦労性だと自慢の赤毛が白くなるぞ”などとからかわれる始末であった。

休憩という名の主君の愚痴を聞く事が終わりそれぞれの持ち場へ戻る際、キルヒアイスはラインハルトに気づかれぬ様に溜息をついていたのである。そして溜息をつきながら“誰のせいで苦労性になったと思っているんですかと”言いたいのを我慢して、ラインハルトを見送ると、“アンネローゼ様、ジークは頑張っていますが挫けそうです”と呟いていた。

この様な事が続いてキルヒアイスの精神的な疲労はラインハルトのそれを大きく上回っていた。



3月24日になると、そんなキルヒアイスの苦労を無視する形で、決定打に欠けた同盟軍、帝国軍ともに、互いの兵力配置をわきまえぬまま、戦力から大きな部分を割いて机上の空論の尤もたる所以の繞回進撃を始めてしまっていた。確かに繞回進撃が成功すれば、第二次ティアマト会戦時のブルース・アッシュビーのように敵軍を完膚無きまでに撃破出来るのであるが、如何せん帝国軍は地理不案内であり、同盟軍としても通信も繋がりにくく司令部と各艦隊との連絡も取れない事が多いヴァンフリート星域で繞回進撃を行う事自体が無謀と言えた。

その最中でも相変わらずラインハルトはノルデンの側を離れられない状態で彼のトンチンカンな話を聞かねば成らず、益々イライラが募り暴発しそうな自分を抑えるのであったが、端から見れば口を歪ませ唇を噛んで今にも爆発しそうな雰囲気がヒシヒシと感じられた。

エッシェンバッハは元より、艦橋にいる誰もがラインハルトの苛つきを感じてはいたが、そこはKYノルデン少将である、全く気が付いた感じもなくラインハルトを更に苛つかせる言動を連続させていた。

ラインハルトとノルデンの応対を見て、それをネタに司令官室で休憩中のエッシェンバッハの元へ行き酒を飲みながら大笑いしていたのは、装甲擲弾兵総監オフレッサー上級大将であった。

幾度となく敵を探しボケ老人のように星系内を徘徊し、遙か前方を通過する敵艦隊を放置しながら敵の後背を突こうとグダグダな艦隊運動をする。此だけでもラインハルトの苛つきはMaxに達していたが、まさか此が最低限度の損害で叛乱軍を叩き潰す為の作戦だと知ればどの様な事に成ったであろうか。

全ての元凶はテレーゼが原作知識を元にして同盟軍宇宙艦隊司令長官ラザール・ロボス元帥とお気に入りの作戦参謀アンドリュー・フ
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