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鋼殻のレギオス IFの物語
十三話 前
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体技能を高めるためのこの組み合いももうニーナにとっては慣れたもの。実力の差は理解しているのだが、やはりこうも無様に負けると情けなく感じてしまうこともある
 腕を離され、起き上がるニーナにニーナを倒したもの???レイフォンがその様子を見ながら声をかける

「どうでした?」

 その会話も何度か繰り返されたもの。故に主語のないそれにニーナは自分の考えを返す

「そうだな……やはり自分が動く際に剄の流れを見ることを忘れてしまうな。それと、最後の肘は考えが甘かった」

 組み合いの中で気づいた自分の欠点を言う行為。もう慣れたことなので、ニーナは簡潔に言葉に出す
 たまに行われるこれもレイフォンが言い出したことだ。何でも、常に自分で自分の未熟な点を意識することで何が自分に足りないかを考え、それを直すための工夫を考えるという行為に慣れさせる……らしい
 らしいというのはレイフォンもどうやら詳しいことは分からず、昔養父に教えられたことだとか。今までの経験から役に立ちそうだったからという理由で取り入れられた。それでやってみればニーナにとっては自分の技術をやや客観的にも見ることなどが出来てきたため、意外といい鍛錬になっている
 それを受けてレイフォンも気づいたことを言ってくれるので色々と知ることが出来、今まで気づかなかった自分の癖の様なものに気づくこともあった
 ニーナの言葉を受け、レイフォンも返す

「剄の流れは相手の動きを予測することも出来るので、常に見ることを意識してください。慣れれば意識せずとも見るようになりますので。肘に関しては、確かにあれのせいでバランスが崩れましたけど僕は良かったと思います」
「何故だ? あれのせいで重心が崩れ倒れたんだ。常に軸は取れるようにしておいた方がいいんじゃないか?」
「軸だったら、同じ方の足を同時に下げるか、半回転して逆の肘を使えばなんとかなると思います。それよりも、あの肘は掴む腕を巻き込んでのタイミングが良かったので危なかったです。あと少しで当たるところでした」

 その言葉にニーナがレイフォンを見れば、確かに髪の毛の一部が明らかに変な方を向いている
 先の言葉から考えるに、恐らく避けるのに僅かに遅れ、ニーナの肘がかすったのだろう
 今までロクに当たることなどなかったため、進歩と言えば進歩だがそこまで嬉しい気持ちにはなれない
それを思い、つい溜息を零してしまう

「一度勝つことはおろか一撃を入れるのも遠い、か……」
「え〜と、その……。でも、段々と良くなってますよ? 最初よりずっと強くなってます」

 溜息を零すニーナに、レイフォンはどうしようかと少し困った顔をしながら口を開く
 事実、それは嘘ではない
 レイフォンがニーナと同じか少し上といった程度にまで剄量を落とし、積極的に
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