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蒼き夢の果てに
第5章 契約
第65話 魔眼の邪神
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いや、(ことば)

 迫り来る巨大な一本の巨大な槍と成った触手が、俺と、炎の少女を目指し迫り来る。
 そのスピードは、本来、神の速度。しかし、極限まで能力の高められた俺の目からは、非常に緩やかに近付いて来るようにしか見えていない。
 しかし、その触手は、確実に世界の裂け目を引きずって来て居る。

 そう。その世界の裂け目の向こう側に垣間見えるのも、異なった世界。俺と炎の少女が触手に翻弄され、押し潰される世界が。喰われ、分解され、無に帰す世界が。
 そして、
 そして、その中にたったひとつ、奇跡(輝石)のように光り輝く世界――――――

 その瞬間。それまで徒手空拳で有った右腕に一振りの神刀が顕われた。
 瞬転。それまで以上の光輝を放つ七星の宝刀。

「勝利をもたらせ、隔てられぬ光輝(クラウ・ソラス)!」

 その刹那。俺の右隣でも同時に爆発的な気が発せられた。
 裂帛の気合いの元、まったく同時に振り抜かれた神刀が、それぞれの霊気の質に等しい現象を巻き起こし、
 発せられる光と熱が、俺の身体と、そして炎の少女を包み込む。
 そして、その眩い白に俺と共に在る湖の乙女の精神すら、白く塗り変えて行く!

 そう。その瞬間に魔眼の邪神。(湖の乙女)と炎の少女。そして、世界自体。闇の丘に存在するありとあらゆる存在が、光の中に溶けて行ったのだった。


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