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悪の騎士
第一章
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た、それだけでなく。
 密かにだ、部下達にこう言うのだった。
「いいか、魔族の刺客はだ」
「はい、見つけたらですね」
「容赦なくですね」
「いや、殺すな」
 部下達が言わんとしていることを察してこう言うのだった。
「出来る限りな」
「殺さないのですか?」
「刺客であるというのに」
「そうだ、出来る限り殺さず捕まえろ」
 そうしろというのだ。
「いいな」
「それは何故ですか?」
「何故殺さないのですか?」
 話を聞いた部下達は彼の真意がわからずこう問い返した。
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