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愛らしい乙女よ
第一章
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                        愛らしい乙女よ
 乙女は何か、それは人類の永遠の命題だ。
 彼中込匠は親友である御子芝大輔にこう言い切った。
「純情可憐でな」
「清楚か」
「スカートの丈も長くて」
 制服のそれのことも言う。
「それで髪も黒で長くて」
「それがいいか」
「御前はどうなんだよ」
「俺はスポーツかな」
 大輔はそちらだと言うのだった。
「髪は黒でショートヘアでな」
「半ズボンか」
「爽やかな汗とかいいな」
 大輔が言うにはだった。
「そういうのがいいな」
「スポーツか、それもいいな」
「だろ?だからな」
「どっちがどっちかは言えないか」
「俺はそう思うけれどな」
「そうか、まあなあ」
 ここで匠は言った、そして。
 二人が今座っている席の上の日本酒を飲んでからこう言ったのだった。
「二十年前だからな」
「だろ?今時の娘なんてな」
「そういうのないよな」
「スカートの丈も短いだろ」
「ああ、セーラー服も減ったな」
「ブルマもな」
「ああ、もうそれないぞ」
 匠は大輔に即座に言った。
「現実の学校にはな」
「ああ、うちの娘もな」
「スパッツか?」
「ジャージだよ」
 それだった。
「夏もな」
「暗黒時代だな、それは」
「スカートの丈は短いけれど自分の娘だぞ」
「娘がそんな格好したらかえって頭にくるよな」
「他の娘fがどんな恥ずかしい格好しても何とっも思わないだろ」
「ああ、俺もな」
 匠は大輔の言葉に心から同意した、その通りだというのだ。
「俺の娘達がミニスカートはいて学校に行くの見てるとな」
「そんな格好するなって言いたくなるな」
「実際に言ったことあるよ」
「聞かないだろ」
「時代遅れなこと言うなって言われたよ」
 そうだというのだ。
「全く、折角父親が注意したのにな」
「聞かないな、女の子ってのは」
「本当にな。かみさんの言うことしか聞かないよ」
「男親ってのは難儀だよ」
「全くだな」
 二人で言い合うのだった、そして。
 匠は酒を飲み枝豆をつまにつつ大輔にこんなことも言った。
「で、かみさんな」
「ああ、そっちのかみさんか」
「もう結婚して二十年だよ」
「こっちは二十一年な」
「全然変わらないんだよ」
 結婚したその時からだというのだ。
「相変わらず可愛いな」
「おいおい、おのろけか?」
「そっちのかみさんはどうなんだよ」
「一緒だよ、全くな」
 そうだというのだ。
「全然変わらないさ」
「そうか、一緒だな」
「昔からな」
 そうだというのだ。
 その中でだ、今度は大輔から話を出して来た。
 スーツの懐からスマートフォンを出しそのうえでの言葉だった。
「かみさん見るか?」
「ああ
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