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鋼殻のレギオス IFの物語
十一話
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剄力だけで受け止めて、跳ね返すんです」

 見た方が早いだろうと思い、レイフォンは剣を持ってその場に座り錬金鋼に剄を流し込んでいく
 流し込まれるにつれ錬金鋼が発光し始め、次に武器の周りをおぼろげに揺らし始める

「この状態で互いに剄力をぶつけ合うんです」
「ほう、そういうものなのか。だが、どういった意味があるんだ?」
「さっき言ったように、剄力を見ることができます。相手が上手く剄を練れているか、無駄にしていないかとか、自分でもそれを自覚することもできます」
「なるほどな」

 そういい、ニーナもレイフォンと同様に地に座り剄を流し込んでいく
 次第に武器が発光し始め、周りを朧げに揺らし始めたのを確認し、レイフォンは剣を前に軽く掲げ、剄をニーナの方にゆっくりと伸ばしていく
 レイフォンの動きを見てとり、ニーナも真似して同じに剄の塊を伸ばし、レイフォンの剄にぶつける
 その状態のまま少しずつレイフォンは剄量を増やし様子を窺う
 少し強くするごとに相手の方も力を上げ、拮抗状態が続き続ける

(剄力は普通に比べて多い……のかな?)

 今思えば、周囲にいた同年代の武芸者の平均をなど知らないため、良くわからない
 クラリーベルと比べるのもそれはおかしいと分かる。あれが普通だったら色々と困る
 そのため、剄力は大体の量を把握するだけにとどめ、ニーナの剄の練りこみを見る

(完璧に、じゃないけど十分綺麗に剄を練れてる。注ぎ込んだ分を無駄にしてない。必要な分だけを気を付けて放出が出来てる)

 自分の剄にぶつけられるニーナの剄は非常に綺麗で、無駄が少ない。自分よりも少ないはずなのに、そこからはまっすぐな力強ささえ感じられる
 レイフォンは知らないことだが、ニーナは今のレイフォンのように教官を呼ぶまでの間ひたすらに父親に基礎を鍛えられていた
 基礎とはつまり、武器になれることである素振り。そして剄の訓練としての瞑想をただひたすらに繰り返した
 来る日も来る日も素振り瞑想素振り瞑想素振り瞑想素振り瞑想……の毎日。それがいやで家出をしたこともあるが、それほどまでに繰り返した瞑想により、今のように腰を据えてじっくりと剄を練るようなものならロスが少なく、非常に綺麗にできるまでになった

「ぐ、うぅ……」

 互いに押し合う剄の塊は徐々に大きくなり、その維持にもそれだけの力が必要になってくる
 ここまで大量の剄を出したことはないのか、ニーナの顔が少しずつ険しくなっていく。それに対応するかのように剄の操作が乱れ、直ぐに正され、また乱れるというのが繰り返され始める

(そろそろもういいかな)

頃合いだと断じる。レイフォンは剄の幕を大きく広げてニーナの剄を包み、中で生み出した複雑な潮流によってニーナの剄をかき消し押し合
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