暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜無刀の冒険者〜
ALO編
episode6 彼女の想い2
[4/4]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
れだけ毒舌を吐いて……いや打ち込んでおきながら「直接口ではちょっと」もクソもなかろうと思うのだが、一応牡丹さん基準ではそういうものだったのか。

 牡丹さん。
 彼女は俺の付き人としてずっと俺に、文字通り付き続けていたわけだ。

 (使いたく、なかったんだがな……)

 苦い表情になるのは、別に爺さんに禁止されていたからなどという理由では無い。
 ああ言えば、牡丹さんが逆らえないことは分かっていたからだ。

 『四神守』と、『神月』。孤児院のような設備で育てた子供たちのうち、望んだ人達を使用人として本家で雇うというシステム。明言されている訳ではないが、それでも「育てて貰った」という恩を受けた、いや恩を押し着せられた『神月』の人間が『四神守』に付き従うのは、ある意味当然と言えた。そんな人を人と思わないような扱いは、出来ればしたくなかった。

 だが。

 (仕方ない、か……)

 行かなければならない場所がある。
 絶対の確信というわけではないが、不自然な…いわば、この世界の綻びを感じさせる場所。

 それはもしかしたら、あの世界に通じるかもしれない場所なのだ。
 失われた、あの世界に行くチャンスがあるのなら、その席を譲るわけにはいかない。

 たとえどれほどの危険が……それこそ、命の危険があるのだとしても。

 (俺が、行くべき場所なんだ)

 まだ深い夜空の下、俺の体が埋立地の硬い地面を蹴って駆け抜けた。


[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ