暁 〜小説投稿サイト〜
真剣で武神の姉に恋しなさい!
風間ファミリー集結ともう一つの再会
[1/8]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
 千李たちが風呂と夕食を終え、しばらく経ち時刻は0時をまわっていた。

 千李は一人川神院の屋根の上に立っていた。

 夜も更けていることもあってか聞こえるのは微かに吹く風の音だけだ。

 その中で千李は大きく深呼吸をし呟く。

「…うん。やっぱり川神の空気はいい。今更だけど帰って来た感じがする。でも…」

 千李はいまだに多くの明かりが灯っている場所に目を向けた。
 
 そこは川神の社会の吹き溜まりともいえる、親不孝通りだった。

「あそこはいつ見てもピリピリしたものが、動いてる感覚があるのよね。あの子達元気にしてればいいけど…。まぁでもいらない心配かもね。っとそろそろ寝ないと明日に響くわね」

 そういうと千李は屋根から降りて自室に戻り布団に入った。



「つまらない…。もっと強いやつらと戦いたい」

 一人の少女が呟いた。

 その瞳には光が灯っておらず、まともな生気さえ感じられない。

「それは何故じゃ?」

 老人が聞く。

「理由なんかない。私はただもっと強いやつと戦ってちからをつけたいだけ」

「では、力をつけてお前はどうする?」

「そんなことどうでもいい。私はただ…だけ。すべてを…だけなんだから」

「なぜ?」

「理由はない。私はただ…

       …コワシタイダケナンダカラ…」

 それは昔の記憶。

 千李がまだ小さい頃の記憶だった。



 
「千姉様!起きて!そろそろ朝ごはんになるから」

 体をゆすられ千李は目を覚ました。

 千李は上半身を起こすと起こしに来た一子の頭をなでながらいった。

「起こしてくれてありがとう一子」

「ふお〜…、やっぱり千姉様のなでなでは気持ちいわ〜。ってそうじゃなかった!じゃあ私朝の鍛錬に行って来るわねまた後でね千姉様!」

「ええ。気をつけてね」

 千李は一子を見送ると少し俯いた。

「まさかあの時のことを夢に見るなんてね…」

 思い出していたのは先ほどの夢、というより昔の記憶。

「あーもう!朝から嫌なこと思い出したわね…。最近見てなかったから完全に油断してたからダメージでかいわ〜」

 言いながら布団から出ると制服を引っつかみ、パパっと着替えると朝食に行くため廊下に出ると、ちょうど百代と鉢合わせた。

「おはよう姉さん。よく眠れたか?ってなんか顔色悪くないか!?」

「おはよー。いやね〜…、私のガキのころの事思い出しちゃってね。鬱なだけよ気にしないで」

 千李のあまりのテンションの低さに百代はたじろぎながら千李を朝食誘った。

「そ、そうか。ならいいけど、じゃあ朝飯に行こう」

「うーい」

 千李は重い足取りのまま朝食に
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ