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トーゴの異世界無双
第百十六話 な〜んか、寒気がするんだけどなぁ
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誰も答えは返してはくれなかった。
 代わりに返って来たのは、冷たい言葉だけだった。


「無様なクズですね君は」
「ガシューさん?」


 耳を疑った。
 まさかこれまで一緒に計画を遂行してきた相手に、そんなことを言われるとは思っていなかった。


「だがまあ、まだ君には役に立つチャンスがあります」
「チャ、チャンス?」
「ええ」


 そう言うとガシューは懐(ふところ)から何かを取り出す。
 それを見たグレイクは怯えたように顔を引き攣(つ)らせる。


「ガ、ガシューさん? それはまさか……っ!?」


 寝ているグレイクに一歩ずつ近づいていく。


「ま、まさかそれを俺に!?」


 無言で近づいてくる彼を見て、必死に体を動かす。
 だが、言うことを聞いてくれず体は微動だにしない。


「や、止めろっ! 俺に近寄るなっ!!!」


 するとニヤッと狡猾(こうかつ)そうにガシューは笑う。


「嫌ですねぇ、クズな君に、まだ役割を与えてあげると言っているんですよ?」
「来るなぁっ!!!」


 有無を言わさずグレイクに近づき、懐から取り出したある物をしっかりと握り、グレイクの胸の真上に持って行く。
 それはネジのような形をしている。


「さあ、生まれ変わりなさい」
「止めろぉぉぉぉぉっっっ!!!」


 ブシュッ!!!


 振り下ろした手の先から血が吹き飛び、ガシューの頬にも付着する。
 ビクビクッと何度も痙攣(けいれん)を繰り返すグレイク。
 それを冷ややかに見下ろすガシュー。


「トーゴ・アカジ……借りは返しますよ……クク」

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