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恋姫〜如水伝〜
十二話
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いながら略奪を働いていない事。そして劉備の軍が餓えていながら軍としての形を残している事。この二つに関しては、劉備の人望もあるのだろうと思い。徳と言う点ではおそらく華琳は劉備に及ばないだろうとも思った。
「わかったわ。要望に答えましょう、少し席を外させて貰うわ。食糧の残りを確認するわ。桂花、如水ついて来て」

華琳らは席を立ち、糧食の担当していた桂花と劉備と最初に会った如水に意見を求めた。
「桂花、どれ位までなら劉備に渡せる」
「劉備の軍は五千程と言っています。それなら持ってきた分の食糧の残りの半分を渡せばとりあえず、向こうの要望に答えれるかと」
「その場合、こちらの残りはいくらになるの」
「六ヶ月程かと思います」
そう言った後、桂花は不満を漏らした
「賊を働かないだけましですね、ずいぶんと堂々とした物乞いだと思います」
「そうね、気持ちは分かるわ。とりあえず他に意見あるかしら」
「華琳。彼女らに渡す食糧だが、私がこの前、黄巾党から奪った物を全て渡せばどうだろうか」
「どう言う事?」
「正直言って、私は奪ったまでは良かったがその使い道について考えていた。あれは元々、黄巾党の連中が民衆から奪った物だ、それを自分達が食べるのは正直言って気が引ける。なら勝手な自己満足だが捨てた物として彼女らに渡せば良いと思う」
「そう…確かに私も少し気が引けたのよね、あれを使うのには」
「それともう一つは、彼女の肝を冷やすほど渡せば、今後、何かの交渉材料として利用できるかもしれん。劉備は君に無い物を持っている。それが何か良く分からんが、いずれ君の敵となり得るかもしれん、ここで彼女に引け目を感じるくらいの恩を売るのも良いと思うが」
「私に無い物?」
「うまく言えないのだが、君が一番わかるはずだ」
「私も、如水殿の意見に同意します。確かに言葉にすると、その言葉が一番合っているかと」
「言われて見れば、そう言いあらわすとわかりやすいわ。私が劉備に感じたのは、それかもしれない」
そう言った後、華琳は決断した。
「劉備に黄巾党から奪った食糧を全て与えましょう。桂花、すぐに渡すよう準備しなさい」
「はい、わかりました。直ちに用意します」

三人の話が終わった後、華琳と如水は劉備らに食糧の与える量を伝えた。
劉備は驚き遠慮したが、それを制すように華琳は話した
「このくらいの量、我が軍には大した事じゃないわ。それに共に黄巾党を討つ同志じゃない、ぜひ、受け取って欲しいわ」
「本当に良いんですか。そんなに貰ってしまって」
「そんなに畏まらないで。私は貴方の気持ちに答えたいの、大事に使って」
「はい!。ありがとうございます」
「よかったですね、劉備殿。そんなに喜んで貰うと、私も貴方を紹介した甲斐がありました」
「黒田さん、ありがとうございます
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