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とあるIFの過去話
五話
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別の研究者に対して声をかける

「ちゃんとネットワークとの接続は切ってあんだろうな。ミスってたら殺すぞ」
 「も、問題はありません。言われた通り、ネットワークとの接続は全て遮断してあり、戦闘データは別に保存してあります」
「ならいい、さっさと破棄しろ。実験の役にたたねぇ有害情報なんざさっさと消せ」

そう、感情の片鱗を見せるなどという、異質なミサカの情報など、本来感情を有さない他のミサカにとって有害でしかない
だから彼女はネットワークとの接続を断たれていた。その理由も、まだ一人しか稼働していないからと、嘘の情報を伝えられ、そのことを疑いもしなかった
彼女は守りたいと思った妹達と会うこともできず、会話することもできないまま死んでいき、その情報は消される
ミサカが楽しいと思った記憶が、一方通行との時間が消される。彼女が守りたいと思った妹達の記憶になど、彼女の何一つ残らないよう、念を入れ、彼女が存在していたという全てが、彼女たちを殺す一方通行の記憶を除き、消されていく
 
「今日はあのまま返せ、だが、明日からはどんどん殺させろ。休ませる暇を作るなよ。時間をおいたら、変に狂う可能性があるからな。一方通行がなんの問題もなくクローンを殺せるようになるまで一日も休ませるな。ノルマは最低一日二十。ああ、どんな風にあの顔が歪むか、楽しみで仕方ねぇ」

そういい、もうすることは無いと木原は背を向け去っていく
命令された研究者達は彼の命令に逆らわぬよう、迅速に自分の仕事に取り掛かった。だから気づかなかった
隅にいた一人の女性の研究者、芳川桔梗が、消されるはずのミサカの情報を密かにコピーしていたことに
優しくはないが甘い彼女が、自分を慰めるためにしていた行動に。だがそれはまた、別の話


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