暁 〜小説投稿サイト〜
古の鉄の巨人を駆る他世界への介入者
弐号機改良計画
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ネルフ本部・司令執務室

「・・・・・・・・・・・・・・」

ある書類を突き付けられながら、冬月は沈黙をしていた。がその額には青筋が立っていた。一つは弐号機の所有権についての報告書。書類には

『エヴァンゲリオン弐号機及び専属パイロット、惣流・アスカ・ラングレーはグライナルリーゼズの所属とする。これは国連の決定であり、無効にする事は出来ない。出来るとすればグライナルリーゼズ隊長、キョウスケ・ナンブ大将及び惣流・アスカ・ラングレー特務大尉の了承を取る事』

と書かれていた。これで最新鋭であった弐号機はグライナルリーゼズの物に、パイロットも同様であるが、エヴァが相手も奪われたのは不味い。そして此処で疑問を一つ、何故冬月が司令室にいてゲンドウがいないということ。それはもう一つの書類に関わっていた。

それは・・・。碇本家から呼び出しであった。碇本家は世界有数の大きな物で、その力は計り知れない。ゲンドウは、妻である碇 ユイを失ってからもシンジの親権を持っているという事だけで碇の姓を名乗り、碇家の財産を勝手に使い込んでいた・・・。その財産はエヴァの製作費に当てていたようだが膨大な失敗作が出来上がっている。一体作るだけで数百兆円はかかるのにそれを膨大な数の失敗作が出来ている。総額は幾らになるのだろうか・・・。計算しようとすれば、経済大国の全予算を十年ほどは賄える程である。

因みに、ネルフに戻ってきたゲンドウは碇の姓を剥奪され、元の苗字の六分儀に戻っていた。(それより前に戻っているが自分に気付いたのは呼びだされた時だったようだ)そして、今まで勝手に使い込んだ金を利子を付けて返還しろと言われたそうな。


グライナルリーゼズ エヴァ弐号機専用格納庫

弐号機の専用格納庫では、弐号機がエヴァの為だけに作られた特殊な液体に漬かり、頭だけが出ている状態で整備兵によって詳しく調べられた。それを覗きに来たのかミゲルと闇夜がアスカを車椅子に乗せて格納庫へとやってきた。

「班長!この装甲は酷いっすよ!?作りも出鱈目だし急造品も良い所ですよ!」
「何!?これで何十点目の問題点だゴラァァア!!」
「班長!このシステムやっぱ欠陥だらけです!改良というか一から作り直したほうが早いです!!」
「よしかかれ!」

「すっごぉい・・・」


アスカは目の前で行われる戦闘にも負けない整備兵達によって行われている弐号機の大幅な改造現場を目にして呆然とした。飛び回る怒声にも似た的確な指示。それを忠実に行いながら別の作業も同時並行で行う人たち。アスカは自分が知らない所ではこんなにも沢山の人達に助けられているんだと気付いた。ミゲルはアスカの頭に手を載せて優しく撫でてやる。

「どうだこれを見て、ちょっと煩いか?」
「ううん・・・でも見れて良かった・
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