暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
コラボ
〜Cross storys〜
episode of cross:開始
[1/4]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
アインクラッド第二十層主街区【サンカレア】

のどかな森林と草原が主流の、取り立てて景勝地でもなく、観光地でもなく、とくに実入りのいい場所でもない。

さらには、主ボリュームゾーンも過ぎているこの階層には、中層プレイヤーすらも訪れずに人はゼロにも等しい。

だが、今はそんな閑散とした空気は欠片もない。

ざわざわ、がやがや。

数え切れないような人が溢れていて、気のせいか普段ならば空しく響くのみのNPCの掛け声も戸惑いがちな雰囲気が混じっている。

あちらこちらで、まるでお祭りの時のようにプレイヤーが出す屋台が並んでいて、景気の良いドラ声を響かせていた。

それもこれも、今日の午後二時から開始される大規模デュエルイベント《守護霊達の亡霊》を見るがために集まった者達だ。

なにせ、参加するのが攻略組も攻略組、その中でも選りすぐりの歴戦のトッププレイヤー達だからである。

呆れたことに、誰が勝つかで賭けも始まっている。

その中身は…………ご想像にお任せしよう。

それらの露店を回って、しこたま買い込んだ食い物という食い物を頬に詰め込み、リスのようにぱんぱんになっている顔中に笑顔を浮かべつつ、レンは歩いていた。

ちなみに経費は、《六王》請求である。

「レンはがめつい」

隣を歩くユウキがそう言ったが、レンは全く気にせずに笑顔で返す。

「いいじゃん。貰っとくものは貰っとかないとね」

「………………………………………」

はぁ〜ッ、と大きなため息を洩らすユウキのさらに隣。

チョコレート色の肌を持ち、長い黒髪を後頭部で一まとめにしてポニーテールにしている女性プレイヤーが言った。《柔拳王》テオドラである。

「それより、レン。いいのか?もう少しで始まるぞ」

時刻は午後一時と四十分。開始のセレモニーはもう始まっている時間帯だった。まぁ出ないのだから、別に三人には関係のない話だが。

「ん〜?もうひょっとだへ………?」

「「……………………………………」」

数分後、イラッとした女性プレイヤー達に引きずられていくレンの姿があった。










───卿らよ。それではこれで我の演説は終了するとしよう。存分に楽しんで欲しい」

シキとシンが開催セレモニーが開かれている転移門広場についた時、結構本格的に作られたステージの上にいた《白銀の戦神》ヴォルティスがスピーチを終えたところだった。

あまり人との接点が薄いシキでも、知っている。アインクラッド最強と名高い戦士サマだ。

この広場が作られたそもそもの目的である転移門からは、さっきから途切れることなくプレイヤーが吐き出されている。青い転移光が、マスコミのカメラのフラッシュみたいに瞬いて
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ