暁 〜小説投稿サイト〜
シャンヴリルの黒猫
51話「第一次本戦 (2)」
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ンカーアシュレイ選手、流石にB-ランカーロートス選手の猛攻撃を避け続けるのはつらいのでしょうか、押されています! しかしなんとか紙一重でかわせているようです! ただ危うい! 見ている方がヒヤッとするようなギリギリ崖っぷちの避け方! やはりFランカーの下剋上は無理なのか!?』

 子どもの背丈はありそうな大剣を縦横無尽に振り回すロートスの攻撃を、アシュレイは目と鼻の先でかわし続けていた。ギリギリの戦いに観客が沸き立つ。

(さっきからFランカーFランカーって……連呼されると恥ずかしいんだが)

 まだ登録して1月なのだから仕方ないことではあるが、今回の参加者の中ではダントツの最下位ランク(そもそもFの下にはF-しかないが)であるため、ちょっと苦い顔のアシュレイなど放っておき、モナは実況を続けた。

『どうやら4回戦では1対1の戦いを同時にやるようです!』

『まあ、魔道士のいないグループならそれが定石でしょう。しかし…アシュレイ選手は本当にFランカーなんでしょうかねえ?』

『確かに、ギリギリとはいえB-ランカーであるロートス選手の攻撃を避け続ける技量には、目を見張るものがあります!』

『……まあ、見ていましょう』

 若干の含みを持たせた声でカスパーは言い、それきり口を噤んだ。リーメイとクラインの方のコメントに移る。

 試合開始から十数分。

 リーメイ、クラインに延々追い掛け回されたシュウは息も切れ切れなのもうなずける。当の2人は僅かに息を切らしているものの、まだまだ余力があるのに対し、アシュレイに対峙していたロートスの方は、既に肩で息をする程体力を消耗していた。

 否、正確には「精神力に(・・・・)つられて(・・・・)体力も(・・・)削られた(・・・・)」である。

『おやぁ!? 一体どういうことでしょうか!? 押していたように見えたロートス選手、既に体力は限界のようです!!』

(顔に似合わずズバッと言うな、あの司会)

 思わず苦笑するアシュレイは、当然息一つ乱してはいない。これには観客も大盛り上がりだ。

「くっそぉ、クソクソッ! なんで当たらねえんだよ!!」

 苛立ちも露わにロートスが怒鳴る。

 片や吹き荒れる風のような連撃を全て受けられ、片やクライン程の速度でないものの、並の冒険者ならば一撃で()せるであろう力強さを秘めた剣戟を全て紙一重で(・・・・)避けられる。

 どちらも相手にダメージを負わせていないのに変わりはないが、精神的に追い詰められるのは圧倒的に後者だ。当たった、と思う斬撃がことごとくかわされる。如何なB-ランクまで上ってきた剣士であろうとも、むしろB-ランクの優秀な剣士だからこそ、それが数十分にも続けば苛立ちは押されられない。自分
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