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ソードアート・オンライン 守り抜く双・大剣士
第77話 =ぶっ壊す!!=
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『逃げ出すのか』

―――違うよ…現実を認識するんだ…。

『なら屈服するのか?…かつて、抗っていたシステムに』

―――仕方ないだろ…俺はただのプレイヤー、向こうはこの世界を支配している神、ゲームマスターなんだよ…。

『“俺”だったとは思えないな。なんどもお前が言っていた「守る」……これは嘘なのか』

―――違う…違う!!でも…っ!

『なにか守るためには壊すこと…それが必要だ』

―――俺にはその覚悟がなかった…それだけだろ……。

『なら今から持てばいい。お前を信じる人のために』

―――俺を……信じる…人…?

『その人たちのためにお前は今日まで戦ってきたんだろ』

―――そうだったな…。すっかり忘れてたよ………。

『さぁ、もういけるだろ』

―――あぁ……。俺は壊してやる。俺が守りたいと思う人のために。

『立て……』

―――その覚悟の証のために…。

『立って…全てを守り抜いてみせろ!!』





どこからともなくしたその声は俺の意識を完全に取り戻させて覚醒させた。

「………ぁぁぁあああっ!!!」

叫んだおかげかまだ重く感じるが左腕が動く。右腕に刺さっているナイフを左手で掴んで歯を食いしばる。

「…こん……なもの…っ!」

痛みが走るがこんなもので苦しがっていたら向こうで浴びせられた刃すべてを馬鹿にすることになる。抜きぬいてそれを宙に放るとカランと音が鳴りどこかへ転がる。そして今度は腹のナイフに手を添える。

「……本当の剣……っていう…のは…っ!!」

ナイフを腹から完全に抜いて誰もいないほうへ投げた。と、身体が自然に前へ倒れそうになるが地面に着くすれすれで左手で身体を支える。そして右足にある投剣へと手を伸ばす。

「…怖くて……っ!」

それも抜いて最後の一本を掴む。

「……もっと…痛かったっ!!」

全てのナイフを抜ききって身体を持ち上げる。深々と刺さっていたせいでいまだに痛みが走り体が重く感じるが全身全霊の力を込めてその場に立ち上がり、いまだにユカの体を触っているシンベリン…いや、廣田を睨む。その様子をみた廣田は一瞬ぽかんとした顔で俺を見たが、すぐ眉を寄せてユカから離れて大げさに体をすくめる。

「やれやれ……さっきオブジェクト固定したはずなのになぁ…ったく、運営チームの無能どもめ……まぁいい」

そういうと廣田は自分で持っていた豪華な装飾のついた剣をユカに渡し、「とどめ、刺しちゃいな」と大げさに言うとユカは小さく頷いて剣を構えてそれこそロケットのように飛んでくる。だが速さだけはすさまじいけど超単純な直線攻撃、体をちょっと移動させれば避けられるものだが…。

「……ぐぅっ!!」

剣はその
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