強さの基準
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<リムルダール>
「お前が武闘家だぁ〜?こんな弱そうな武闘家は初めて見たゼ!」
ボランティア番兵は値踏みをする様にハツキを見て馬鹿にする。
「な…ア、アンタこそ番兵には見えない貧相な出で立ちじゃない!」
プライドを傷つけられたハツキがムキになって反論する。
「何だと!?貴様…人を見かけで判断するんじゃない!」
ボランティア番兵は顔を真っ赤にして激怒する…
この台詞にアルル一行の誰もが『お前が言うな!』と心の中でツッコミを入れたのだが、口に出すと話がややこしくなりそうだったので、プロのツッコミニストですら突っ込むのを控えた。
「アンタだってさっき私達の事を見かけで判断したじゃないの!アンタが偉そうに言える台詞じゃないわよ!」
しかし頭に血が上っているハツキにはつっこむ事が我慢出来ず、必要以上に大声を張り上げて皆が思った事を叫んでしまう。
「ふざけるなよ小娘!俺様は好意でこの町の平和を守ってやっている、正義の武闘家ナール様だ!しかも聞いて驚け…英雄オルテガ様の一番弟子でもあるんだぞ!」
不必要に自分を誇張するのが馬鹿の特徴だ。
この男もその特徴に合致する…しかし最後に聞き捨てならない言葉を吐いた。
アルルは思わず男に掴みかかろうとしたのだが、リュカがそれを止め…そしてティミーがギュッと抱き寄せて、混乱が拡大するのを防ぐ。
「オルテガの一番弟子ぃ〜?じゃぁ何でオルテガについて行かないんだよ!奴は今頃魔の島にでも渡って、大魔王の軍勢と一人で戦っているだろうに…お前はここで何やってんだ?」
人を小馬鹿にするのならこの男の右に出る者は居ないだろう…リュカが鼻で笑いながらナールの現状を指摘する。
「お、俺も一緒に行くって言ったんだよ…でもオルテガ様が『リムルダールを守れるのはお前だけだ。この町を頼んだぞ!』って言うから…」
リュカの指摘にションボリしながら答えるナール。
「なんだ…邪魔くさいから置いてかれたんだ。お前一番弟子じゃないだろ…自称一番弟子だろ!(大笑)」
ドッと爆笑が零れる一同…正規の番兵等も一緒に笑っている。
そして一番笑っているのが最も侮辱されたハツキだ…
「あははははは、随分と大層な正義の武闘家様ね!置いていかれる程邪魔な人間ってどういう事よ!あははははは!」
「う、うるさいうるさい!!俺にだってお前が使っている様な凄い武器があれば、オルテガ様にだって負けない強い武闘家になれるんだ!お前みたいに弱いクセに、金で装備を強化して強くなった気でいる奴とは違うんだ!」
自分の実力を疑わないナールには、見た目格下の少女が自分にはない武器を使用している事が我慢出来ず、不当な非難でハツキを貶める。
「な、何ですって!?私は道具になんか頼ってないわよ…この冒険を通して修業を積み、心身共
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