第二章
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「タマ潰しだぜタマ潰し」
「止めておけよ、本当に」
「御前の為だからな」
「頭ではわかってるんだよ」
渉は眼鏡の平凡だがだからこそ中々ポイントが高いという顔で言った、髪も黒いそれを普通にセンターで分けている。青のブレザーの着こなしも奇麗だ。
その彼がこう言うのだった。
「それでもな」
「気になるのかよ、どうしても」
「好きだっていうんだな」
「今の日本は身分とかないしさ」
自由な社会、この建前も出す。
「恋愛も自由だろ?だったら誰が誰を好きになってもいいと思うんだけれどな」
「それが通じる相手と通じない相手がいるんだよ」
これが現実だった、そうした建前が通じない相手もいるのだ。
「それが乃木坂の兄貴なんだよ」
「だから諦めろって」
「本当にオカマになるからな」
「子供作れなくなるんだよ」
「諦めろっていうけれどさ」
まだ麻美子を見る彼だった、麻美子は今はクラスの中で女の子達と共ににこにこと話している、それは非常に明るく可愛らしいものだ。
その彼女を見てそして言うのだった。
「やっぱり奇麗だよな」
「想うことは勝手だけれどな」
「それでも注意しろよ」
「タマだからな」
とにかくそれだった、男にとってはそれが大変だった。
だから彼等は渉を止める、しかし渉は諦めきれず麻美子を見続けていた。
次第にその気持ちを抑えられなくなり今にも告白しようとさえ思っていた。その彼にだ。
ある日麻美子からこっそりとこう囁いてきた。
「あの」
透明感のある奇麗な声だった、口調も優しい。
「いいですか?」
「えっ、何かな」
「はい、放課後ちょっとお話したいことが」
あるというのだ。
「ですからお付き合いして欲しいですけれど」
「お付き合いって何処に」
「喫茶店、ブルーライオンでお願いします」
町の中にある水色の奇麗な喫茶店だ、何でもお店の娘が西武ファンなので店の中はその色になったらしい。
「そこでお話したいのですが」
「一体何の話なのかな」
「それはその時に」
放課後ブルーライオンでだというのだ。
「お願いします」
「何かよくわからないけれどわかったよ」
これが今の渉の返答だった。
「それじゃあ放課後に」
「はい、私一人で来ますから」
だから渉も一人で来て欲しいというのだ。
「お願いしますね」
「うん、じゃあ」
渉は麻美子の言葉に頷いて返した、まさか想っている相手から直接声をかけられしかも二人きりで会いたいと言われるとは思ってもいなかったので内心飛び上がらんばかりだった、だがそれと共にこうも思った。
「何であの娘が俺と」
二人で会いたいと言ったのか、そのことについて思ったのだ。
「どういうことなんだ?喫茶店で何を話したいんだ?」
首を捻
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