暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
ALO
〜妖精郷と魔法の歌劇〜
飛翔と空への憧れ
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が言わなかった。

「ま、まあそういうわけだから当然僕もついてくよ………と言いたいとこだけど、ちょっと気になることがあるんだよね……」

「…………なに?」

「まだ確証はないんだけど………少し調べたいから、僕はもうしばらくシグルドのパーティーに残るよ。────キリトさん、レンくん、カグラさん」

レコンは、彼にしては最大限にマジメな様子でレン達に向き直った。

「彼女、トラブルに飛び込んでく癖があるんで、気をつけてくださいね」

「あ、ああ。わかった」

「わかったよー」

「承知しました」

三者三様の返事が返ってくる。だが分かる。完璧に全員面白がっている。

「────それから、言っておきますけど彼女は僕のンギャッ!」

語尾の悲鳴はリーファが思い切りレコンの足を踏みつけたことによるものだ。

「余計なことを言わなくていいのよ!しばらく中立域にいると思うから、なにかあったらメールでね!」

早口でまくし立てると、リーファは翅を広げ、ふわりと浮き上がった。

名残惜しそうな顔のレコンに向かって、大きく右手を振る。

「……あたしがいなくても、ちゃんと随意飛行の練習すんのよ。あと、あんまサラマンダー領に近付いたらダメだよ!じゃね!」

「り…………リーファちゃんも元気でね!すぐ追いかけるからね!」

と涙まで頼りない瞳に宿して叫ぶアバターの中身とはすぐ学校で会うというのに、それなりの別れの感慨がこみ上げてきてしまって、リーファは慌ててくるりと向きを変えた。

そして、北東の方向を見据え、翅を固定して滑空を開始した。
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