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とある星の力を使いし者
第179話
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アビニョン。
フランス南部に位置する街で、その中心部となる旧市街は全長四キロ程度の城壁に囲まれている。
限られた土地の中にたくさんの建物を詰め込んであり、最盛期にはヨーロッパ全体の文化に大きな影響を与えた。
その事もあってか、現在でもフランス屈指の観光名所として機能している。

「ふぅん。
 で、お前はそのアビニョンでC文書について調べていた、と。
 それは分かったんだけどさ、五和。」

そういう説明を受けた上条は、五和と麻生と一緒に巨大な石の城壁に備え付けられたアーチ状の城門をくぐり抜け、壁に囲まれたアビニョンの旧市街地に入る。
広場らしき所に出ると、オープンカフェのようなものが見えた。
道路の脇に置いてあるお店の看板は、フランス語(上条は読めなかったが、麻生には読めた)と英語が並べて表記されている。
観光客向けというか、初めてきた人の為に色々と配慮されているらしい。
五和は麻生と上条を連れて、広場から離れるように、細い道へ入って行く。
穴場でもあるのだろうかと思っていた上条だったが。

「とりあえず座れる場所へ行こうって話だったと思うんだけど。」

「は、はい。」

「何故そこでドローリコーヒー?
 いや、元々海外の企業なんだからフランスにあってもおかしくはないんだけど、思いっきり日本のチェーン店と同じだぞ。
 何て言うか、もっと、こう、老夫婦が趣味で始めました的な隠れた名店とかってないのか?」

「そ、そういう店もあるにはあるんです、けど。」

「馬鹿かお前は。」

五和は言い難そうに話そうとした時、麻生が馬鹿にするような口調で答えた。
むっ、と眉をひそめる上条を尻目に麻生は言う。

「今のこの状況を考えろ。
 俺達は日本人だ。
 問答無用で学園都市の人間と判断されてもおかしくないほど、今は人心が操られている。
 そんな隠れた名店にでも行ってみろ。
 地元民に愛された店に俺達のような異分子が入れば目立つ事この上ない。
 自分から捕まりに行くようなものだ。」

五和が言おうとした事を全て言われ、力なく彼女も頷く。
むむ、と正論を言われ上条は唸る。

「なので、日本の観光客がたくさん出入りしている、こういうチェーン店の方がまだ安全です。
 地元に住んでいる日本人と勘違いしてくれかもしれませんので。」

「んでも、恭介はともかく俺、結構汚れているぞ。
 これってかなり目立つんじゃ・・・・」

「それも心配しなくていい。」

「はい、今だからこそ、その格好は目立ちません。」

二人は汚れても問題ない理由を知っているような口ぶりだが、上条は全く理解できず首を傾げる。
彼らの言葉の意味は、実際に店に入るとすぐに分かった。
店内の内装は日本にあるものと全く変わら
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