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なのは一途のはずがどうしてこうなった?
第四章 烈火の将は実力派
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烈火の将と言えば管理局でも名高い近接戦闘の達人である。
その彼女は人に物を教えると言う行為が苦手であり基本的には新人に教えることをしていない。
しかし、模擬戦の訓練を頼まれれば受ける位の気概は持ち合わせている。
シグナムと交流を深めたいと思う下心のある男性局員は初め狂喜した。
だが模擬戦訓練は決闘という名であり、完膚なきまでに相手を叩きのめすシグナムに訓練を願う局員は激減した。
今ではミウラ・ケイタとエリオ・モンディアル位しか訓練という名の決闘を申し込む相手がいないのだ。
何故ミウラ・ケイタが剣術指南役としてシグナムに訓練を頼むかというと、それは生き残るためであった。
彼は決して強いわけではない。
総合ランクはAランクだ。
保有魔力量が平均値を底上げしているため総合的なランクはAなのだが、個々で見ると平均Cランク程度である。
それでも数多くの戦歴を持つため戦い方自体は巧いのだ。
後方支援が彼の役割だが、各ランクを高める事に必要性を感じている。
それは彼一人が取り残された状態でも生き延びる術の獲得のためだ。
まずそんな状況は起こりえないが、万が一という事がある。ならば、不測の事態に対応するためにも様々な技量の確保は必然であった。
その一つが剣術であり、近接戦闘の技術であった。

「筋はある。だが、防御ばかりが巧くなっても話にならんぞ」
「仕方ないよ。身を守る前提で習ってんだし」

互いに握るのは木刀である。だが、身につけているのはバリアジャケットだ。
これは訓練であり殺し合いではない。
だから、デバイスを使う事はないのだ。
それでも実力差は明らかだ。

「ケイタは見切りがいいが、攻撃がなってない。身を守るなら敵を倒すのが一番だ」

ピンクのポニーテールが揺れる。
横払いの剣筋だ。

「そう、ここで避けたなら相手に隙があるだろ? ソコを突け」

言われた通りに突く。
が、返す刀で弾かれる。

「と、まあ、私くらいになると返し技が間に合ってこうなる」

喉元に木刀の先が突きつけられた。

「降参だ」

負けを認める。初めから勝つことが目的ではない。

「うむ。だが、落ち込むことはない。負けない戦い方をすればケイタに勝てる相手はなかなかいないぞ」
「それでいいさ」

こんなもんだろう。
才能というものがなく、努力の果てに辿りつける限界値を見定める。
シグナムクラスの近接戦闘技能を持つ相手に30分位持つかどうかだ。

「今日は終いだな。ふ、風呂に行くが、い、一緒に……は、入るか?」
「は?」

何を言った?
風呂に一緒に入るだと?
何の策略だ?
時間的に訓練場近くの風呂場は空いているだろう。
何せ早朝だ。
そうは言って誰もいないとは限らない。

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