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子虎迷走記
第9話 距離の縮め方 前編
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「俺はレックス。で、こっちはユエ。ユエが君を見つけて俺がここまで連れてきたんですよ」

「君達が、僕を……」

「ギャオウ」

それから俺達はイスラと話をした。

「ありがとうございます。君達は、僕の命の恩人だ」

そうお礼を言われるとむずかゆいぜ……
レックスもそんなに大げさにお礼を言われてもと少々困り顔。

少ししてイスラはどうしてあんな所に倒れていたんだろうと記憶を思い出そうとするもイスラと言うのが自分の名前とか小さい頃とか昔の事くらいしか思い出せず、最近の事はさっぱり覚えていないんだとか……

すみませんと謝るイスラ。
部屋はなんともいえない空気が漂う。

うう、こんな時は外に出るに限る!
レックス!外出ようぜ外!

「ギャウウ!」

「うわ!何するんだユエ!……え?外に出るの?……それいいね!イスラさん俺達と外に出かけませんか?」

「外に?」

それからレックスが有無を言わさずイスラを外に連れ出した。
ほんと行動力あるよなレックスって。

俺もレックス達の後を追った。



それから俺達はイスラを島中連れまわした。
途中……

「ちょ、ちょっと待ってください!い、息が……」

とイスラがバテた。
仕方ねぇな。今回だけだぞ?

「う、うわ!ゆ、ユエさん……ですか?」

「ガウ!」

「え?ついでに俺も乗せてくれるって?」

「ギャオウ!」

俺は前の戦いで新たに得た新技でレックスとイスラを乗せて走った。

それから色々駆け巡って一旦集いの泉で休んでから戻る事になった。

そしてその途中で……

「!?」

ここ、昨日まで普通の森だったよな?
何でこんなひどい事になってんだ……

森は荒れまくっていた。

明らかに自然に出来たものではない荒れ方に俺達はすぐさま護人に知らせるべく、イスラをラトリクスに戻し、駆けた。



ざわざわと何かの這い寄る音が森の中に密かに響いているのを聞きながら……










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