ダイシーカフェにて
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さと入れ」
「あ、ああ……」
扉を開けてクラインを招き入れるとクラインはのっそりと肩を若干落としながらキリトの横に腰掛ける
「エギル、ちょい強めの酒をくれ」
「あいよ」
エギルが店で上から数えた方が早い……かつクラインがギリギリ払えるであろう値段の酒をグラスに注ぎ、ロックアイスを浮かべてクラインの前に出した
クラインはそれを一気に飲み干すとグラスを机の上に置いた
「さすがエギル。商人の鑑だな」
「おいおい、ネタバレはやめてくれよ?」
「当然だろ?そんなつまらないことをするわけがない」
すべてはクラインが伝票をもらったとき、だ
「まあ、いいか。それよりもクライン……仕事はいいのか?」
クラインの懐の氷河期の訪れを予見したキリトは俺とエギルの悪人面を見てなにかを諦めた
「今日は午後休をとってきたんだよ。こうやってたまに休みをとらねぇと過労死しちまうって……」
「なんで辞めないんだ?」
「そりゃ、SAOに囚われていたのにも関わらず面倒見てくれるのの恩返しっつうか……」
クラインの勤めている会社は仕事による拘束時間が労働基準法スレスレの超ブラック企業ではあるがSAO事件の折、昏倒し続けていたクラインを解雇せず有給扱いにしてくれていたらしい
会社の思惑はどうであれグチグチと文句を言いながらもクラインは恩義を感じてしっかりと働いているのだ
「そんなことよりさぁ……やっぱいいよな」
引き締まっていた表情がいきなりだらしなく緩む。視線の先には明日奈と里香と詩乃の姿があった
「確かにあの一角は華やいだ雰囲気だよな。なぜかは知らないが美人ばっかだし」
クラインの言葉にエギルが乗った
SAOやGGOで数少ない女性プレイヤー……それもここまでレベルの高い面々が集まるとか偶然を通り越して呪いレベルだ
いわゆる主人公の呪い(フラグ)
「あれ?」
「どうした?」
「いや、知らない娘が一人いるんだが……まさか、この俺様の春がついにーッ?!」
SAOのオフ会でクラインは以前から見知っているアスナはもちろんゲーム内では接点の無かったリズとも顔を合わせている
つまり消去法でいってクラインが知らない娘というのは……
「クライン、死んだな」
「ああ、燐の逆鱗に触れるとは……な」
お前らは俺をなんだと思っているんだ?
「とりあえずファーストコンタクトが大事だよな!」
そう言ってネクタイを締め直すとクラインは立ち上がった
「なあ、エギル。フライパンを貸してくれないか?」
「一つでいいか?」
「二つあるとありがたい」
「わかった」
エギルがカウンターの下にある収納スペースから二つのフライパンを取り
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