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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
動乱の始まり
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、軍用ISの暴走。これらのことに合わせて夏休み時の亡国機業の動きから学園に通っている生徒の自衛と戦力強化というものが必須と考えられたようなのです」

「それはそうかもしれませんし否定もしません。しかしこちらの警備が信用できないなら教員を増やすなどのこともできたはずです。それをいきなり転入生として無理やり1年に入れ込むなどと……」

 そもそも今年のIS学園は異常だ。まずISを使える男子がIS学園に入学。そして専用機持ちが今までは1人、多くて2人だったのが現在転入してきた者を合わせれば9人。この時点で既に異常だが、今年は何かのイベント毎に問題が起きる。VTシステムの暴走はまだドイツ単体の問題だが、謎のIS襲撃と臨海学校の非常事態については少なからずけが人を出している。いくらIS学園が他国の介入を許さない場所とはいってもここまで来てしまうとその警備力自体が疑問視されてしまっているのだ。特に先の襲撃事件についてはアリーナのシールドを破られている。もしこれが一機でなく複数機だった場合生徒への被害も考えねばならない。
 そういう観点から理事長、教員らは臨海学校以降秘密裏に厳戒態勢を敷いてきた。そのお蔭か今のところ問題はないが、他国からすればそんな危険なところに自国の代表となる可能性のある人物を通わせているわけにはいかない。せめて自国の信頼できるものを派遣したいと思うのは当たり前だ。

「転入生についてはまだ構いません……しかしこの……『この案件』については徹底的に反対させて頂きます」

「そうは言われてもな、織斑先生。これも既に委員会での決定事項なのだよ」

 千冬は自分の手元にある資料を見ながら十蔵に反論するが、十蔵は無駄だという感じで首を振る。いくら理事長と言えども委員会直々の命令には従わざるを得ない。学園内の経営権限はあるとはいえ、その上には更に大きな権限を持った組織が存在しているのだ。下手に逆らえば最悪解任されるという可能性もある。そうなればIS学園自体に関われなくなってしまうため十蔵、千冬は表立っての反論などすることはできない。
 感情を露わにしないように千冬は静かに十蔵に背を向ける。

「『各国代表、候補生による臨時講習』……上手くいくといいですがね」

「ワシもそう望むよ。とにかく協力を頼みますよ」

「善処します」

 それだけ言うと千冬は理事長室を後にした。

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