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ALO編
episode2 懐かしき新世界へ
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に総務省の役人だと名乗る男たちが訪れた。

 聞くと彼らはSAO内の俺のレベルや存在座標の追跡から俺が所謂『攻略組』(実際には違うのだが……)だと考え、一体何が起こったのかを聞きに突撃してきたらしい。はっきり言ってお門違い、寧ろ俺の方が何が起こったのかを是非説明して欲しかったくらいだ。

 まあ、それはいい。
 あの世界の情報を知りたいという点なら、共感できる。

 まあなんやかんやでいろいろと聞き出された俺だが、その中で最も重要視された情報は「SAO世界での積極的殺人歴のあるプレイヤーの名前」だった。向こうでは情報屋でもあった俺は、他の一般プレイヤーよりもそのあたりの情報に詳しかったので、これはお役人方にとってはかなり有用だったそうだ。確かに、向こうで殺しの味を占めた連中だ、お役人達も開け放つには不安だろう。

 まあ俺もバカではないから、言われるままに情報を渡したのは当然無償では無い。
 彼らに対して、とある取引を持ちかけたのだ。

 まあ取引と言っても俺が求めた条件は、たった一つ。

 このナーヴギアを、持ちかえらせて貰うことだけだったのだが。


 ◆


 電源に接続して、準備を整えてナーヴギア……俺を二年間拘束し続け、ともすれば俺の命を奪ったかもしれないこの名高い悪魔の機械……を、ゆっくりと頭に装着する。そこに、恐怖は無い。なぜ、と問われると理由は分からないが、帰ってきて初めて被った時も、全く恐れは無かった。

 被った瞬間、鼓動が安らぐ。
 まるで、誰かに守って貰っているような、安心感。
 勿論、そんなものは俺の錯覚だと重々分かっているのだが。

 「リンク・スタート」

 呟いて入っていくのは、仮想の世界。
 いや、仮想の世界、というのも違和感があるか。

 なぜならその場所は俺にとっては、かつてはもう一つの現実とでもいうべき場所だった……いや、今でもそうだと思っている場所なのだから。

 (全く、なーんでこうなったかね……)

 真っ暗な世界に入り、あちらの世界での感覚を設定するための諸動作を行いながらぼんやりと考える。なんでこうなったのか、を考えているのではない。その理由は、分かりきっているからだ。考えているのは、その原因となった、「彼女」のこと。

 彼女のことは、一向に分からない。

 いや、常識で考えれば死んでしまっているだろう。SAO事件がその終焉にどういった経過を辿ったのか詳しく知らないとは言っても、向こうでの死者が本当に死んでいた事……四千人近い数の犠牲者がでたことくらいは、俺だって知っている。

 だが俺は、どうしても彼女の死に実感が持てなかった。あの世界で最後に得た仮説…まだ彼女が生きているのではないか、というのを積極的に信じている訳ではない
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