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宇宙を駆ける一角獣 無限航路二次小説
第一章 一話 無限航路

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ずっと昔から、夜になると外に出て星空を見上げて過ごしていた。いつか宇宙を旅したいと一途に思っていた、誰にでもあるであろう幼少期の無邪気な夢。
だが、俺はそれを叶えてしまった。
叶えたかったという思いもあったが、現在の技術では月のあたりまでが精一杯だろうという諦念もあった。
宇宙飛行士になるという子供のような夢を持ち続けることは難しいし、それを実現するためには筆舌に尽くし難い努力と運が必要になっている。
俺はその過程を踏むだけの覚悟がなかった。ネズミのようにコソコソと社会の隅っこでたいした事件も変化もなく惰性で生きるだけの日々。それはそれでよかったのだろう。
だが、ある日車に轢かれそうになった老人を助けるために飛び出した時点で、俺の惰性で続いていた人生は終幕を迎えた。
激痛を感じた次の瞬間には、俺は轢かれた道路ではない別の場所にいたのだ。

そこは、無限に続く宇宙空間を旅する誇り高き0Gの犬達が命を懸ける世界。
自身の才覚と仲間の能力、手塩にかけて改造した自分だけの船。
たったそれだけを頼りに宇宙の深淵へと挑む、弱肉強食適者生存の世界。

そんな世界に放り出された俺は、生き残るために活動を開始した。
自分の船を手に入れ、仲間を募り、宇宙の果てまでも旅をする。幼い頃の夢に再び火を灯し、俺は歩き出す。
死ぬのはゴメン。だが、惰性で生き続けるのは苦痛だ。
せっかくの珍しい人生。
精々刺激的に生きてやろうじゃないか。


【無限航路】


それが俺がこれから生きる世界。

国家の生命線である航路は宇宙航海者【0Gドッグ】が切り開き、0Gドッグはその命を燃やし富や名声を求めて今日も無重力空間で足掻き続ける。
そして、俺も今日からその中の一人なのだ。
俺の旅が、俺だけの旅がこれから始まる……
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