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ヱヴァンゲリヲン I can redo.
第参話 I am a Pilot
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アにナイフが刺さり形象崩壊を起こした。

 第三新東京市の中心部に巨大な赤の十字架がそびえる。暗い夜空に虹が架かった。

「目標の殲滅及び形象崩壊を確認」

「初号機は健在。第6ケージへの回収を開始します」

 十字架の根元部分に仁王立ちする、血まみれの初号機の姿とその戦闘がNERV職員に恐怖を植え付けたのは、紛れもない事実であった。

「これが…エヴァの力なの…?」

 ミサトはそう絶句した。









 戦闘を終えたシンジはシャワールームへと向かった。体中に纏わりつくL.C.Lの匂い、つまり血の匂い。それが彼にとっては最も忌むものだった。

 無人のシャワールームには、シンジの浴びるシャワーの水音だけが響く。それが孤独を強く実感させた。前世の時と同じような。

「やっぱり取れないんだよな、この匂い」

 いくら熱湯を浴びても取れないこの匂いに、彼は眉をひそめた。

 彼は蛇口をひねって水を止め、用意されていた服に着替えてロッカールームへと向かった。途中の道で待ち受けていたのは、不安な表情を浮かべたミサトだった。

「どうしました、葛城さん?」

「どうしましたじゃないわよ…。あんな無茶苦茶な戦闘、素人のあなたにできるはずがないわ。あのとき、何が起こっていたのか訊かせてもらえる?」

 シンジは目を細めた。もしこの世界が前世と同じレールを走るとしたら…ミサトさんはまた…。

「僕も良く分からないんです…。いきなり意識が薄くなって…気づいたら目の前に赤い十字架が」

 シンジは虚偽の返答をした。本当のところは、あの戦いはすべて自分の意思によるものだった。しかしそれを言えばミサトさんに怪しまれる。それはしてはいけない事だと、彼には直感的に分かっていた。

「そう…」

 幸い、あのとき原因は分からないが全てのメーターとモニタが振りきられ、意味をなしていなかったらしい。ミサトは怪しもうとしなかった。

「葛城さん?」

「何? シンジ君」

「僕の家なんですが…どうすればいいんですかね…?」

 シンジは懸案を切りだした。
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