暁 〜小説投稿サイト〜
妖刀使いの滅殺者
第19話
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「じめじめしてるぅ〜」

≪フエルトリ山≫の中は涼しいのだがかなり湿っていてじめじめしている。しかも薄暗い
サチは出来るだけ壁際に近づかないようにして俺の横にぴたっと体をくっつけていた。どうもここは苦手なようだ
今の体制だと戦闘になった時黒印が抜けないだろうから、先に黒印を抜いておいた。策敵にはモンスターの反応がなかったのでしばらくは大丈夫だろうが…

「レイさん、今回の目的のアイテムは誰が落とすんですか?」

「ん?あぁ、紅蓮石は≪ランクラン≫。見た目はんー…。赤い石男?」

「よくわからないです…」

そう言われても実際に見てみればわかるだろう、石男なのだ、おそらく体は紅蓮石で出来ている設定なのだろう

「あと、燃焼石は≪トリノ・ムクロ≫。でっけぇトリで、すぐに見つかるんだけどめんどうなこと、に…」

まったく、この世界のモンスターは待つってことを知らんのかね
突如羽音が聞こえたかと思うと、一匹の巨大なトリが現れた。全身が黄色く、目は赤い≪トリノ・ムクロ≫だ

「ッ!とりあえずこいつが燃焼石を落とす!いそいで倒すぞ!!」

「え?なんで?別にゆっくりでも…」

サチがえぇーといった目で見つめてきた。薄暗い中で見つめられていることを意識すると、つい気が揺らぐ
が、今はそんな事考えてる場合じゃない!
こいつ≪トリノ・ムクロ≫の厄介なところは、その独特な泣き声でわんさか仲間を呼ぶ事だ。しかも、このダンジョン≪フエルトリ山≫はつまりは≪増える鳥≫。どんどん≪トリノ・ムクロ≫が現れて襲ってくるのだ

「兎に角!こいつを…」

「クルックッククック」

俺のセリフを遮るように奴の鳴き声がダンジョン中に響き渡ってしまった

「しゃあねぇ、とりあえず燃焼石を13個集めたら逃げッぞ!」

「う、うん」

「わかりました!」

それぞれが武器をとる
後ろは二人に任せ俺は一番最初に飛んできた援軍鳥を狙う

「ふ…んッ!」

高く跳び、垂直に黒印を振るう。レベル差がかなりあるものの一撃とはいかない。空中でもう一度黒印を薙ぎ払い、今度こそ≪トリノ・ムクロ≫をたおした
そのまま着地して、目の前の二匹に飛びかかる。2匹の≪トリノ・ムクロ≫は口から灰色の炎を吐きだしてくる。が、ひとつはかがんで避け、もうひとつは切り裂いた。そして勢いを緩めることなく二匹を一気に一閃する。2匹はそれぞれ跳ねるようにしてかわそうとしたが、あと少しってところで黒印の餌食となった

「とりあえず燃焼石はドロップ率100%だから後すこしだな…」

後ろではサチが1匹、シリカが2匹たおし終えていたので残りは7匹だ
改めて前の敵の並び方を確認すると、なんとまぁ5匹が綺麗に縦一列に並んでくれていた。その一番手前の≪トリノ
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