一 遭遇
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ながら、横島は一瞬そう思う。
「でも、ま…色気のある姉ちゃん以外に殺されてたまるかあぁ―――――――っっ!!!!」
そんな雄叫びと共に、最後の一つである文珠発動。
込めた文字は【移】―――流石に態勢を整えるため、別の場所へ移動しようと考えたのだ。
その結果………………………なぜか血だらけの死体が転がる戦場真っ只中に墜ちていた…。
(文珠の光に包まれて…そっからどーなったんだ?どっかのゲリラ戦にでも巻き込まれちまったのか?)
「どこの里の者だ、言え」
「つーか…ここ日本か?なんか木ばっかだし…どこの森……ってぎゃわ―――――っ!!??」
無言で首筋に刃物を更に突き付けられ、横島の首に血が一筋流れた。
「なっななな…なにすんじゃ――――っっ!!??」
「黙れ」
慌てふためく横島を、背後の者が一蹴する。
おそるおそる振り向くと、白い狐の面をつけた人間が立っていた。
黒衣を身に纏い、クナイを横島の首筋に押し付ける子どもの姿。
闇夜の中で月光が差したように、その子の金色の髪がきらきらと輝いていた。
「こ…子ども…?」
「…答えろ。なぜこんな処にいる?」
「いや…それは俺も知りたいな〜…なんちて」
ふざけてこの場を逃れようとするが、面の奥で子どもの瞳がすうっと細められる。
「…真面目に答えないなら…先ほど転がっていたコイツらの仲間入り、するか?」
その言葉を反芻してようやく人の形をした塊の事を思い当った横島は、頭をぶんぶんと振って否定した。
「…まあ…容姿からして忍びではなさそうだな」
「忍び…って忍者?…つまりお前は忍者ごっこしてんのか?コレなんかのアトラクションだろ、よく出来てんな〜」
それでも緊張感のない横島に焦れたのか、子どもはチッと舌打ちし。
周囲の大木に向かって、さっと手を振り翳した。
途端に10本ほどの木々が、バラバラと薙ぎ倒される。
綺麗な切り口を残す幹の隣で、横島は唖然とした。
子どもを中心とした、大きなクレーターが出来上がったその様に。
「な?ななな…」
「―――いい加減にしないと森ごと吹き飛ばすぞ」
素っ気ない言い方で、子どもは言葉を紡ぐ。
その、なんともいえない威圧感に、横島は思わず唾を呑んだ。
首の後ろがぞわりとする。ゾクゾクとした感覚が背筋を這った。
(ま…マズイこいつぁ…マジもんの殺気だ…)
ぞっと鳥肌が立つ。しかし汗をかく暇もなく横島に向かってクナイが飛躍してきた。
「うおっ!サ…サイキックソーサー!!」
残り少ない霊力を使って霊気の盾を創り、かろうじてクナイを弾く。
寸分違わず頸動脈を狙ってきたことに、本気で横島は焦り始めた。
(こ…殺されてまうっっ!!)
投げられたクナイが一
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